滋賀県立陶芸の森で好評開催中の特別企画「世界の形象土器」展。
本展で展示されている形象土器を、国別に紹介していきます。
今回は「インドネシア」です。
【インドネシア・中部ジャワ島カソンガン】
ジョグジャカルタ市の南に位置するカソンガン村は、ジャワ島の代表的なやきものの村のひとつです。
その歴史は意外にも浅く1970年代初め、ジョグジャカルタの陶芸家サプト・フドヨが考案したものとされています。
モチーフは、ヒンドゥー神話に登場する金色の神鳥であるガルーダなどの動物で、指先で粘土を細工し手びねりで手早く作られています。
ヘビに襲いかかるこの勇ましいこのトリが、ガルーダと呼ばれる伝説上のトリです。
ヒンドゥー教の神で、鳥類の王と見なされるガルーダは、母をヘビ族の奴隷にされたことを恨みヘビを食べるようになったと伝えられています
【インドネシア・中部ジャワ島パクルジュラン】
パクルジュランは、斜めロクロ技術を今に伝えています。
斜めロクロは、ロクロの円盤部分が60度に傾斜しており、ロクロ本体と竹のペダルにロープが取り付けられ、それを足で蹴って円盤が回転する仕組みになっています。
女性がロープを廻す際、体の横に取り付けると服を汚さず、足も広げず機能的であったため、このようなロクロが用いられるようになったと考えられています。
・講演会「インドネシアの野焼土器」
講師:川崎 千足氏
(NGO「斜めロクロの文化を守る会」代表、京都精華大学名誉教授)
日程:平成30年8月11日(土・祝)14:00~15:30
会場:管理事務所(創作研修館となり)視聴覚室
※参加予約不要・入場無料
長年にわたり、インドネシアのやきものの村を歩いてきた陶芸家の川崎氏が、
インドネシアの村々の野焼きや斜めロクロの技術など、その貴重な土器文化を紹介します。