講演会報告 「古写真を読む―制作者の視点から―」

講演会報告 「古写真を読む―制作者の視点から―」

●「古写真を読む―制作者の視点から―」 講師:佐藤博一氏(京都造形芸術大学教授)

7月8日(土)、京都文化博物館3階フィルムシアターにて、「パリ・マグナム写真展」と同時開催中の「近代京都へのまなざし―写真にみる都の姿―」の記念講演会が開催されました。
講師に京都造形芸術大学の佐藤博一教授をお招きし、「古写真を読む―制作者の視点から―」というタイトルでお話いただきました。


本展覧会でも紹介されている黒川翠山が撮影した作品の数々をスクリーンで鑑賞。
古写真に映る京都の風景と、講師の佐藤教授や写真家の北奥耕一郎氏などが同じ場所で撮影した現在の風景との比較の面白さを堪能しました。
講演会は、古写真は勿論のこと、フランスでのダゲレオタイプ写真の発表など写真、カメラの技術的な進歩について。
写真独自の表現が確立されていく作家性に関する歴史について。
そこから映画、テレビ、インターネットも含めた現在の「画像」「視覚文化」全般の検証にまで至る幅広い内容となりました。
「今ある写真が、将来”古写真”になるとき、いつから、またどのような形になるのか」、という佐藤教授からの問いかけ。
そして、「写真が残す記録性・記憶性は、その時代を生きる人の後世に何を残すのかの意思表示。それを読み解くのが本展の面白さになる」という佐藤教授の言葉を意識しながら、本展覧会をご鑑賞いただければ、面白さがさらに増すのではないでしょうか。

会期は9月18日(月・祝)まで。