髙島屋のもとに集った美術家たち―清水六兵衞(四代)―


清水六兵衞は江戸時代中期から始まる京焼、清水焼の名工。初代が1750年頃に京都・五条坂の海老屋清兵衛に師事し、独立後に「六兵衞」と改称しました。その後、五代目までは初代が築いた登り窯を使用して京焼の伝統をつないできましたが、六代目の時代には公害問題が浮上。窯の存続を訴えるため当時の文化庁長官に直談判をするもついには移転が決定し、五条坂の登り窯の伝統の火が消えるなど、名工といわれながら時代に翻弄されてきた歴史も持つのが清水家でした。そんな中、各時代の当主は様々な分野の美術家と交流を深め、独自の作風を確立していったのです。

本展では、「〈特別展示〉豊田家・飯田家 寄贈品展」として、髙島屋創業家である飯田家からトヨタ自動車創業家の豊田家に嫁いだ二十子(はたこ)氏の婚礼衣装や豊田家、飯田家それぞれから髙島屋史料館に寄贈された美術品も特別に展観します。四代清水六兵衞が谷口香嶠・菊地芳文・竹内栖鳳と共作した「春秋花卉彩画盂」も飯田家から寄贈された作品の一つ。工芸と絵画という異なる分野の”美”が見事に融合された作品です。

会場ではそれぞれの作品が髙島屋へ納められた時のエピソードも紹介されています。ぜひご覧ください!
本展は、3月29日~4月10日、京都髙島屋グランドホールで開催。
次回は現在も続く千家十職のうち十四代永樂善五郎の作品を紹介します。

作品:清水六兵衞(四代)作 谷口香嶠・菊池芳文・竹内栖鳳画「春秋花卉彩画盂」明治26年 飯田家寄贈