【出品作品紹介】名碗シリーズ④

【出品作品紹介】名碗シリーズ④

約450年前、初代長次郎により誕生した樂茶碗。その表現は「踏襲」ではなく、それぞれの時代を各当代が生き、常に革新を続けながら焼き継がれてきました。現代からの視点で歴代の「今―現代」を見る本展。不連続の連続によって生み出される樂焼の芸術をご覧いただけます。

本展で公開される初代長次郎と当代・十五代 樂吉左衞門のお茶碗をシリーズでご紹介します。

 

無一物むいちぶつ

「無一物」の銘は、六祖慧能(えのう)禅師の偈頌(げじゅ)から取られた。
全てを削ぎ落とし、「塵」すなわち自然・宇宙の根幹とひとつになるというもの。
誇張や変化、装飾性、情緒など、表現に関わる様々な要素を
極度に抑え削ぎ落とした志向性は、簡素化を推し進める抽象表現を超え、
ミニマルアートなど、現代美術とも接近する考えを含んでいる。

初代 長次郎 赤樂茶碗(重要文化財) 頴川美術館蔵
※1月15日(日)まで展示


望湖樓醉ぼうころうすい

コバルト釉に黒釉が重なるようにドローイングされ、印象的な景色を描いている。
蘇東坡の漢詩から。
「望湖楼酔書五絶」
黒雲翻墨未遮山
白雨跳珠乱入船
巻地風来忽吹散
望湖楼下水如天


十五代 樂吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 佐川美術館蔵

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