《沈黙》1957年　鳥取県立博物館蔵

鳥取県に生まれた辻は1933年、日本美術院展に出品した木彫で一躍脚光を浴びました。
戦後、京都市立美術専門学校（現・京都市立芸術大）の教授に就任し、制作拠点も京都へ移します。
セメントや鉄など、多様な素材を駆使した彫刻教育の先鞭をつける一方、自身は大型の陶彫作品を海外の展覧会に次々と出品し、高い評価を得ました。
赴任当時、東山区の学校周辺には多くの登り窯が点在し、京焼の生産がさかんに行われていました。こうした環境が、やきものによる彫刻作品への意欲を高めたといえます。
本展では辻が陶彫を制作した京都時代に焦点をあて、ヴェネツィア・ビエンナーレ出品作をはじめ版画作品を含めた約45点を紹介します。

《カラカサのオバケ》1974年　米子市美術館蔵

《犬》1956年　米子市美術館蔵

《寒山》1958年　鳥取県立博物館蔵

《緑陰讀書》1979年　信州高遠美術館蔵
写真：渞忠之

《東山にて》1962年　個人蔵
写真：渞忠之

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★2020年10月29日（木）付け京都新聞朝刊に掲載された特集をお読みいただけます。こちらから