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開催期間:2023年6月24日(土)~2023年7月30日(日)

THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦

THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦

江戸時代に確立された浮世絵木版画(錦絵)は、明治以降の西洋の写真や印刷技術導入の影響で、衰退の一途をたどっていました。その中で、あえて伝統的な絵師、彫師、摺師による分業体制の浮世絵木版画技術を使い、高い芸術性を意識した同時代の画家による取り組みが、「新版画」の始まりとされています。これを牽引したのが渡邊版画店(現在の渡邊木版美術画舖)・渡邊庄三郎(1885-1962)でした。

 



川瀬巴水《清洲橋》昭和6年(1931)
渡邊木版美術画舗蔵
 

渡邊庄三郎は、17歳で浮世絵商・小林文七の輸出の出店(横浜店)につとめ、そこで浮世絵木版画の制作に携わったことから、浮世絵、とりわけバレンで摺る木版画が持つ独特の美しさに魅了され、木版画の復興と新しい木版画制作を志します。明治42年(1909)に24歳で独立し、東京・京橋に渡邊版画店を構え、浮世絵の研究や販売を行うかたわら、大正4年(1915)から、来日していた外国人作家の作品の版画化を試み、鏑木清方門下生を中心とした当時の新進気鋭の画家たちを絵師に起用します。絵師、彫師、摺師の協業のもと、高品質な材料を用い、それまでにない複雑かつ華麗な彩色に手摺りならではの技法を駆使するなど、庄三郎の創意工夫と優れた審美眼に支えられた新たな「浮世絵木版画」を世に送り出しました。その結果、昭和の初めに国内外で巻き起こる“新版画ブーム”の火付け役となりました。


本展では、伊東深水らによる美人画、川瀬巴水、笠松紫浪らによる風景画、山村耕花、名取春仙らによる役者絵、小原祥邨、高橋弘明(松亭)による花鳥画などの作品に加え、新版画誕生のきっかけとなった外国人作家の作品をご紹介します。「新版画」の精神を今なお受け継ぐ渡邊木版美術画舗の全面的なご協力のもと、残存数が少ない貴重な初摺の渡邊版をとおして、色あせない新版画の魅力を伝えるとともに、渡邊庄三郎の挑戦の軌跡を示します。

 


The Birth of SHIN-HANGA "New Prints"

新版画誕生のきっかけとなった外国人作家フリッツ・カペラリチャールズ・W・バートレット橋口五葉の新版画草創期の作品のほか、伊東深水の「近江八景」シリーズなど、初期の新版画作品をご覧いただきます。



The World of Portraits of Multifaceted Beauties

新版画における美人画の旗手となった伊東深水による、女性たちの日常的な一場面を描いた作品、当時のモダンな雰囲気の女性たちをカラフルに描き出した小早川清の作品など、多彩な美人画をご紹介します。






The Emergence of New Landscapes

川瀬巴水笠松紫浪など渡邊版画店を代表する風景画の名手を中心に、描かれた場所、構図、摺りの技術なども含め、個性的な画家たちによるさまざまな風景画をお楽しみください。





The New Style of Yakusha-e Prints

渡邊版画店の主要な画題のひとつであった役者絵。山村耕花(豊成)名取春仙の歌舞伎役者の似顔絵作品を見た庄三郎が声をかけ、江戸時代の浮世絵とは異なる新しい時代の役者絵が生まれました。







The Charm of SHIN-HANGA Bird-and-Flower Images

花鳥新版画の中でも特に小原祥邨の作品は海外で人気を博し、昭和8年(1933)にポーランドで開かれた国際木版画展覧会では967枚もの注文が入ったほどでした。モダンな明快さと日本的な情緒の絶妙なバランスは、このジャンルにおける魅力のひとつです。

※掲載作品はすべて渡邊木版美術画舗蔵


渡邊木版美術画舗三代目店主渡邊章一郎氏による、
版画店ならではのエピソードを交えた解説をお聞きしながら展覧会を鑑賞します。

1回目:6月24日(土)14:00から

2回目:6月25日(日)11:00から ※各回約45分

会場:美術館「えき」KYOTO

※マイクを使用し、会場内を移動しながらお話しいただきます。
※事前申し込み不要。ご参加は無料ですが、美術館入館券は必要です。
※混雑した際は、入館制限をさせていただく場合がございます。
 


☆★☆★☆2023年6月20日付京都新聞朝刊に掲載された特集紙面はコチラでもご覧いただけます!!

開催期間2023年6月24日(土)~2023年7月30日(日)
時間午前10時~午後7時30分(※入場は閉場30分前まで)
休館日会期中無休
会場 美術館「えき」KYOTO(京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町
ホームページhttps://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_2306.html
料金入館料(税込):一般 1000円(800円)高・大学生 800円(600円)小・中学生 600円(400円)
※( )内は前売料金。「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまは、当日料金より各200円割引。
前売:2023年5月20日(土)から6月23日(金)まで販売。
販売場所:当館チケット窓口(休館日を除く)、駅ビルインフォメーション、チケットぴあ(Pコード686-402)、ローソンチケット(Lコード53485)。
お問い合わせジェイアール京都伊勢丹:TEL075-352-1111(大代表)
主催/後援など主催:美術館「えき」KYOTO、京都新聞
特別協力:株式会社渡邊木版美術画舗
企画協力:株式会社アートワン
備考※展示作品やイベント内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。
※最新情報は当館ホームページをご覧ください。