開催期間:2025年4月8日(火)~2025年6月8日(日)
落語は、江戸時代に発展した日本独自の芸能のひとつです。寄席で演じられる落語の特徴は、扇子と手ぬぐいを持った噺家が語り口と所作で展開するストーリーを聴き手が想像して噺の世界を広げ、楽しむところにあります。落語のストーリーには、面白おかしな滑稽噺やしくじり談、また心に染み入る人情噺などがあり、人間の喜怒哀楽の感情が巧みに表されています。
江戸時代から語り継がれてきた噺がある一方で、新しい噺もどんどん作り出されながら今日にも落語が脈々と息づいているのは、登場人物の言動がいつの時代にも共通しそうな人間味にあふれた笑いを生み出しているからといえるでしょう。
本展では、主に同館が所蔵する山元春挙や小倉遊亀などによる日本画、志村ふくみの染織、ジョージ・シーガルなどのアメリカ美術、小幡正雄などのアール・ブリュット作品によって落語の噺を紹介します。落語通の方はもちろん、落語を知らない方も噺とともに美術作品を味わえる、一粒で二度おいしい企画です。滋賀ゆかりの演目である「近江八景」のほか、「猫の皿」「抜け雀」「あたま山」など、くだらなくてあり得ない!けれどクスッと笑ってしまうコミカルな落語噺の世界を同館コレクション作品とともにお楽しみいただければ幸いです。
え?滋賀の美術館で落語だって!?
いやいや、この展覧会。
いろんなネタが楽しめる寄席のように、落語に出てくる物や風景にちなんだ作品がずらりと並んでいるらしいよ。
野村文挙《近江八景図 矢橋帰帆》1899年 滋賀県立美術館蔵
岸竹堂《虎図》1891年 滋賀県立美術館蔵
塔本シスコ《オモチャカボチャ(白)》2001年 滋賀県立美術館蔵
■落語のストーリーを多彩な美術作品で紹介
落語監修者は滋賀県出身で江戸落語の真打、三遊亭わん丈!
落語のストーリーのなかに登場する物や景色と同館所蔵の絵画、工芸、立体作品といった幅広い美術作品との掛け合わせにご注目ください。落語「近江八景」では野村文挙《近江八景図》を、「動物園」では 岸竹堂《虎》や大辻良介《ライオン》を展示します。また、「つる」ではコンスタンティン・ブランクーシ《空間の鳥》が、「やかん」ではジョージ・シーガル《コーヒーを注ぐウェイトレス》を展示するなど、ちらほら見受けられる落語と美術の無理矢理なコラボレーション。ぜひ、 ツッコミながらお楽しみください。 落語を監修する三遊亭わん丈は、滋賀県初の江戸落語家。2024 年春、16人抜きの大抜擢で真打昇進、7月には寄席主任興行の史上最速記録を打ち立てた落語界を牽引する若手の一人です。 三遊亭わん丈 近影 撮影:宮﨑健太郎 ©Kentaro Miyazaki
■古典落語の名作にあわせた作品を特別出品
「井戸の茶碗」は、正直者が幸せな縁を得るハッピーなストーリーです。本展では、茶道具のコレクションで有名な京都の北村美術館が所蔵する《井戸茶碗 銘 雨雲》を出品します。また、さくらんぼの種を飲み込んだ男の頭に桜が生える奇想天外な「あたま山」を短編アニメーションにした山村浩二監督による《頭山》も会期中に展示室で上映します。
《井戸茶碗 銘 雨雲》16 世紀 北村美術館蔵
■本展にて初公開!
桂三度の新作落語「虹」×桂二葉のイラストによる紙芝居動画
紙芝居動画「虹」は、桂三度の新作落語に桂二葉のイラストを組み合わせて制作した本展オリジナル動画です。赤や黄など色が会話をするストーリーに合わせてユニークなイラストが登場します。
桂三度は、世界のナベアツとして活動した後、2011年に桂三枝(当代、桂文枝)に入門し、2018年に NHK新人落語大賞を受賞した滋賀県高島市出身の落語家です。桂二葉は、2021年 NHK新人落語大賞で女性初の大賞を受賞しました。二人の落語家が創り出す独特な世界にご注目ください。
■落語独演会[事前申込不要/当日先着順/無料]
滋賀県出身の落語家による高座を開催します。
日 時:5月11日(日)、5月25日(日)
各日とも14:00~15:00
出演者:三遊亭わん丈(5月11日(日)) 桂三度(5月25日(日))
場 所:滋賀県立美術館 木のホール
定 員:各日とも 100 名
■たいけんびじゅつかん[要事前申込/抽選/要参加費(材料費 100 円)]
小・中学生とその保護者の方を対象に、初めての方でも分かりやすい落語の解説や扇子を使った「所作」の体験がセットになったワークショップを開催します。
日 時:5月18 日(日)14:00~15:00
講 師:桂優々
場 所:滋賀県立美術館 木のホール
定 員:80名(保護者含む)
■ギャラリートーク[事前申込不要/当日先着順/要観覧料]
本展の担当学芸員がみどころを解説します。
日 時:4月 26 日(土)、6月1日(日)
各日とも 14:00~15:00
場 所:滋賀県立美術館 展示室3
定 員:各日とも 20 名程度
開催期間 | 2025年4月8日(火)~2025年6月8日(日) |
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時間 | 9:30~17:00(入場は 16:30 まで) |
休館日 | 毎週月曜日(ただし5月5日(月・祝)と5月6日(火・振休)は開館し、5月7日(水)は休館) |
会場 | 滋賀県立美術館 展示室3 大津市瀬田南大萱町1740-1 |
ホームページ | https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/9726/ |
料金 | 一般 950円(800円) 高校生・大学生600円(500円) 小学生・中学生400円(300円) ※( )内は 20 名以上の団体料金 ※企画展のチケットで展示室1・2で同時開催している常設展も無料で観覧可 ※未就学児は無料 ※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方とその介助者は無料 |
お問い合わせ | 滋賀県立美術館 TEL / 077-543-2111(8:30~17:15) FAX / 077-543-2170 E-MAIL / info@shigamuseum.jp |
主催/後援など | 主 催:滋賀県立美術館、京都新聞 協 力:北村美術館、立命館大学落語研究会 後 援:エフエム京都 落語監修:三遊亭わん丈 企 画:山田 由希代(滋賀県立美術館 学芸課長) |
備考 | —小さなお子さんがいる、障害があるなどの理由で来館を迷っている方へ 同館では、しーんと静かにする必要はなく、おしゃべりしながら過ごしていただけます。目が見えない、見えづらいなどの理由でサポートをご希望される場合や、そのほかご来館にあたっての不安をあらかじめお伝えいただいた際には、事前の情報提供や当日のサポートのご希望に、可能な範囲で対応します。 |