開催期間:2018年9月7日(金)~2018年10月8日(月)
20世紀最大の巨匠パブロ・ピカソは、その並はずれた創造力で膨大な数の作品を制作しました。時代によって自由自在に変化していく表現は、ピカソ芸術の魅力の一つに挙げられるでしょう。
彼は版画制作においても豊かな才能を発揮しました。70年以上に及ぶ創作活動において2,000点近くの版画作品を制作しており、銅版画、リトグラフ、リノリウム、木版画など技法や素材も多岐にわたります。
本展では、フランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France, BnF)所蔵のコレクションから、ピカソのさまざまな版画作品に光をあて、彼が影響を受けた巨匠たちの作品を合わせた約100点により、挑戦心あふれる独創的な表現の世界を紹介します。
■フランス国立図書館とは芸術的・科学的な資料を収蔵するフランス、パリにある世界的な図書館。14世紀にシャルル5世によって創立された王室文庫がその歴史の端緒にあります。コレクションの内容は多岐にわたり、書籍及び印刷物、原稿、版画、写真、地図、楽譜からコイン、ビデオ、マルチメディア、装飾品、コスチューム等にいたる1,500万点の資料を収集し、紹介しています。
■ギャラリートーク ※終了いたしました
「版画家としてのピカソ―巨匠たちとの対話」
日 時 : 9月7日(金)/①午前11時~ ②午後2時~(各回約30分)
会 場 : 美術館「えき」KYOTO
講 師 : 村上 哲氏(アート・キュレーション代表、本展監修)
※マイクを使用し、会場内を移動しながら解説いたします。
※事前申し込み不要。ご参加は無料ですが、美術館入館券は必要です。
※混雑した場合は、入館制限をさせていただく場合がございます。
※イベント内容が変更、または中止となる場合がございます。予めご了承ください。
【本展監修・村上哲氏が語る!“史上最強の版画家・ピカソ”】
会期初日の9月7日、本展監修の村上哲氏(アート・キュレーション代表)によるギャラリートークが行われました。
ぼんやりと油絵画家のイメージがあるピカソですが、実は「史上最強の版画家」なのだとか。
彼が18歳から89歳まで作り続けたその数、版画だけでなんと2千点。それほどピカソを虜にした版画の魅力は何なのでしょう。
会場前半では肖像画に始まり静物、神話、裸体画まで、ピカソが挑戦したさまざまなモチーフの作品を公開しています。
多岐にわたる素材や技法がうまく生かされ、表現の幅の広さを実感できます。
なかでも1枚の版だけで彫りと摺りを何度も繰り返す技法は、ピカソが考案したもの。
薄いものから順に色を重ね、「まるで油絵のような色が出ている」と村上さん。その技法を用いた作品は複数あり、必見です。
会場後半は、ピカソが影響を受けたとされるレンブラントやゴヤなどの作品も加わります。
過去の巨匠たちによる伝統的な主題を描いた作品と、それをピカソがピカソなりの解釈で表現した作品とを並べて比較できる興味深い企画。
これは、世界最大の版画コレクションを誇るフランス国立図書館の協力を得て実現したもので、村上さんも「またとない貴重な機会です」と胸を張ります。
その中のひとつ、レンブラントの「エッケ・ホモ」をピカソがアレンジした作品では、画面いっぱいに描かれた群衆の表情が特徴的。
キリストが処刑前に群衆に晒される場面を描いたものですが、ピカソはこのあと、版の中の群衆を消し、その次の場面を彫っています(※会場には展示されていません)。
1枚の版に上書きしては摺り、それを繰り返すことで作品に変化を持たせたピカソ。
村上さんは、完成形である油絵とは異なり、物質的な変容があってその過程が残せる版画こそ、彼にぴったりだったと話していました。
創造への挑戦をやめなかった、ピカソの表現の軌跡をたどる本展。
「史上最強」と呼ばれるほどの、版画における才能の高さをぜひ会場で感じ取ってみてください!
開催期間 | 2018年9月7日(金)~2018年10月8日(月) |
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時間 | 午前10時~午後8時(※入場は閉場30分前まで) |
休館日 | 会期中無休 |
会場 | 美術館「えき」KYOTO(JR京都駅すぐ・ジェイアール京都伊勢丹7階隣接) 京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 |
ホームページ | http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1810.html |
料金 | 一般1,000(800)円、高・大学生800(600)円、小・中学生600(400)円 ()内は前売および「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまの料金。 前売券は7月5日(木)~9月6日(木)まで発売。販売場所:美術館「えき」KYOTOチケット窓口(休館日を除く)、チケットぴあ(Pコード769-016)、ローソンチケット(Lコード53844)など。 |
お問い合わせ | ジェイアール京都伊勢丹 075-352-1111(大代表) |
主催/後援など | 主催:美術館「えき」KYOTO、京都新聞 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 協力:エールフランス航空 企画協力:㈱ブレーントラスト |