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アート・展示
女性におすすめ
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開催期間:2023年4月16日(日)~2023年6月11日(日)

「マリー・ローランサンとモード」1920年代パリ、女性たちは羽ばたいたーココ・シャネル、マドレーヌ・ヴィオネも活躍

「マリー・ローランサンとモード」1920年代パリ、女性たちは羽ばたいたーココ・シャネル、マドレーヌ・ヴィオネも活躍

2023年4月16日(日)~6月11日(日)の期間、京都市京セラ美術館 本館北回廊1階にて「マリー・ローランサンとモード」 を開催いたします。二つの世界大戦に挟まれた1920年代のパリ。それは様々な才能がジャンルを超えて交錯した、奇跡のような空間でした。ともに1883年に生まれたマリー・ローランサンとココ・シャネルの二人は、大戦後の自由な時代を生きる女性たちの代表ともいえる存在でした。本展では美術とファッションの境界を交差するように生きた二人の活躍を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、マドレーヌ・ヴィオネなど、モダンとクラシックが絶妙に融合する両大戦間パリの芸術界を俯瞰します。オランジュリー美術館やマリー・ローランサン美術館※など国内外のコレクションから、絵画、ドレス、資料など約90点のラインナップでご紹介します。

※マリー・ローランサンの世界で唯一の専門美術館。1983年~2011年まで長野県蓼科高原で開館。2017年~2019年まで東京・ホテルニューオータニで開館。2019年閉館後、コレクションの公開はされておりません。

❁マリー・ローランサン❁

セシル・ビートン《お気に入りのドレスでポーズをとるローランサン》
1928年頃 複写プリント マリー・ローランサン美術館 ©Musée Marie Laurencin

1883年、パリ生まれ。アカデミー・アンベールで絵画を学ぶ。ピカソやブラックとの交流から初期にはキュビスムの影響色濃い作風であったが、後にパステル調の淡い色調と優美なフォルムが特徴の女性的な作風に。エコール・ド・パリの中でもひときわ輝く存在となる。詩人アポリネールとの大恋愛でも知られる。

❁ガブリエル・シャネル❁

1883年、ソーミュール生まれ。1909年、婦人用帽子の工房を開きキャリアを築いていく。ガブリエル・シャネル(ココ・シャネル)は、自ら活動的に働く女性として、実用性のある素材を使ってドレスを作るなど、動きやすさとエレガンスを調和させたデザインを生涯にわたって追求した。エレガントな色として黒を好み、ドレスによく用いた。

 

本展の見どころ
マリー・ローランサンの再発見
1910~1930年代のファッション シャネル、ポワレ、ヴィオネらの活躍
カール・ラガーフェルドがよみがえらせたローランサンの色彩

 

展示構成

✦ː───[第1章]狂乱の時代のパリ────:✦

1920年代パリ ― それは戦争の惨禍を忘れるかのように、生きる喜びを謳歌した「狂乱の時代(レ・ザネ・フォル)」。 この熱気渦巻くパリに、奇しくも1883年という同じ年に生まれた、マリー・ローランサンとココ・シャネルは、美術とファッションと いう異なる分野に身を置きながら、互いに独自のスタイルを貫き、まさに1920年代のパリを象徴する存在でした。社交界に属する優美な女性たちの「女性性(フェミニティ)」を引き出す独特な色彩の肖像画で、瞬く間に人気画家に駆け上がったローランサン。一方、シャネルの服をまといマン・レイに撮影されることはひとつのステータス・シンボルとなっていきました。本章では、ローランサンの肖像画やマン・レイの写真などから1920年代の社交界を見ていきます。

 
マリー・ローランサン 《マドモアゼル・シャネルの肖像》
1923年 油彩/キャンヴァス  パリ、オランジュリー美術館
Photo ©RMN-Grand Palais(musée de l'Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

 


マリー・ローランサン 《ピンクのコートを着たグールゴー男爵夫人の肖像》
1923年頃 油彩/キャンヴァス  パリ、ポンピドゥー・センター
Photo ©Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / image Centre Pompidou, MNAM-CCI / distributed by AMF

 

✦ː───[第2章]越境するアート────:✦

1920年代のパリでは「越境」が1つのキーワードとなります。1つには「国境を越える」こと。スペインからピカソ、アメリカからはマン・レイ、日本からは藤田嗣治など、世界中の若者がパリでその才能を開花させています。そして2つめは、「ジャンルを越える」こと。美術、音楽、文学、そしてファッションなど、別々の発展を遂げてきた表現が、新たな総合的芸術を生み出すために、垣根を越えて手を取り合いました。その代表的なもののひとつがロシア・バレエ団「バレエ・リュス」です。フランスを中心に活躍したこのバレエ団は、「越境」の持つふたつの意味を体現する、まさに 1920年代パリを象徴する存在でした。ローランサンとシャネルも、その活動に参加することで表現の幅を広げ、新たな人脈を形成する糸口をつかみました。そしてもう1つ「価値観の平等」という意味も込められています。絵画や彫刻に比べ、ファッションなどの装飾美術は低い評価を受けていました。それを打破すべくパリで開催されたのが、1925年の現代産業装飾芸術国際博覧会、いわゆる「アール・デコ博」です。 本章では、「バレエ・リュス」や「アール・デコ博」を通し、1920年代パリの芸術界をみていきます。


マリー・ローランサン 《牝鹿と二人の女》
1923年 油彩/キャンヴァス ひろしま美術館

 


マリー・ローランサン 《鳩と女たち》
1919年 油彩/キャンヴァス  パリ、ポンピドゥー・センター
Photo ©Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / Jacques Faujour / distributed by AMF

 

✦ː───[第3章]モダンガールの登場────:✦

1920年代、新しい女性たち、モダンガールが登場します。第一次世界大戦を契機にした女性の社会進出、都市に花開いた大衆文化、消費文化を背景に、短髪のヘアスタイル、膝下のスカート丈、ストレートなシルエットのドレスをまとった女性が街を闊歩しました。モダンガールのスタイルは、それ以前の世紀末やアール・ヌーヴォーの時代から進行していました。とくに1910年代にはポール・ポワレがコルセットを外したスタイルを提案し、賛否両論を巻き起こします。やがて、ポワレの優雅なドレスよりも、さらに活動的、実用的な服装が打ち出され、ココ・シャネルのリトル・ブラック・ドレスが時代を代表するスタイルとなりました。しかし、1929年の世界恐慌やファシズムが台頭する不安な時代になると、復古調のロングドレスや装飾が復活します。パリ・モード界でもシュルレアリスムに影響された装飾デザインのエルザ・スキャパレッリが時代の寵児となっていきます。この時期、ファッション雑誌は写真に可能性を見いだし、マン・レイ、ムンカッチら気鋭の写真家を起用して、斬新な表現や躍動感ある女性像を提示しました。モダンガールもまた時代の息吹を吸って、どんどん変化していったのです。本章では、1910年~30年代パリのファッションの移り変わりをシャネルやヴィオネのドレスや当時の雑誌資料などで紹介します。


ガブリエル・シャネル 《デイ・ドレス》 1927年頃 シルククレープ
神戸ファッション美術館 

 

 
マドレーヌ・ヴィオネ 《イブニング・ドレス》
1938年 シルクシフォン、シャンティイレース  神戸ファッション美術館 

 

✦ː───[エピローグ]蘇るモード────:✦

1983年から36年間にわたりシャネルのデザイナーを務めたカール・ラガーフェルド。2011年の春夏 オートクチュール コレクションで発表したデザインは、ピンク、光沢のあるグレー、全体を引き締めるかすかな黒、といったドレスの色使いにローランサンの絵画の世界を彷彿とさせました。ラガーフェルド自身が、ローランサンの色使いから着想を得たことを公言しています。機能的でシンプルかつモダンなシャネルの世界観と、装飾的にして華やか、そしてクラシカルなローランサンの絵画の世界観、ともに1920年代のパリを象徴する存在でありながら、互いに距離を置いていた二人が、百年近い時を経て新たなモードの中で見事に融合した瞬間でした。


マリー・ローランサン 《ニコル・グルーと二人の娘、ブノワットとマリオン》
1922年 油彩/キャンヴァス  マリー・ローランサン美術館 ©Musée Marie Laurencin

 

本展監修者・カトリーヌ・オルメン
(フランス文化財専門官、服飾史家)による寄稿 

「モードは死ななければならない」とは、シャネルの有名な言葉の一つである。時代の感性を最も敏感に反映するモードは、逆にその時代が過ぎ去れば、速やかに忘れ去られる運命にあるというモードの本質を語った言葉だが、一方で一度死んだモードが形を変えて再生することもある。1983年から36年間の長きにわたりメゾン・シャネルのアーティスティック・ディレクターとなったカール・ラガーフェルドは、ローランサンの色彩に着想を得て、2011年、2013年と2回にわたりコレクションを発表した。淡いピンク、光沢 のあるグレー、全体を引き締めるかすかな黒、といったドレスの色使いはまさにローランサンの夢見るような絵画の世界を彷彿とさせる。機能的でシンプルかつモダンというイメージが強いシャネルの世界を、装飾的にして華やか、そしてクラシカルなローランサンの絵画を手がかりに変貌させ、時代を切り開くモードを作り出して見せるラガーフェルド。ともに1920年代のパリを象徴する存在でありながら、互いに距離を置いていたローランサンとシャネルの二人が、百年近い時を経て新たなモードの中で見事に融合する。それは、歴史は常に過去を参照しながら自らを更新していく、という事実に改めて気づかせ、その時「レザネ・フォル」のパリは、さらに生き生きとその姿を我々の前に現すのである。

1920年代を現す言葉であり、社会、芸術および文化の力強さを強調するもの。

 

音声ガイド 浦井健治(俳優)

浦井健治Profile/ 2000年俳優デビュー。2004年にはミュージカル「エリザベート」ルドルフ皇太子役へ抜擢され、以降、ミュージカル、ストレートプレイ、映像と数多くの作品に出演。パリで花開いたローランサンの世界を浦井健治さんがご案内! 

音声ガイド貸出料金:650円(税込) 


☆★☆★☆2023年4月14日付京都新聞朝刊に掲載された特集紙面はコチラでもご覧いただけます!!

開催期間2023年4月16日(日)~2023年6月11日(日)
時間10時00分~18時00分(展示室への入場は閉館30分前まで)
休館日月曜日
会場 京都市京セラ美術館 本館(北回廊1階)
京都市左京区岡崎円勝寺町124
ホームページhttps://www.ktv.jp/event/marie/
料金一般:2,000(1,800)円
⼤学・高校生:1,500(1,300)円
小中学生: 700(500 )円

☆お得なペアチケット☆
ペア券:3,200円
親子ペア券【一般と小中学生】:2,000円

※( )内は前売、20名以上の団体料金
※前売券・前売ペア券、前売親子ペア券は、2月14日(火)10:00~4月15日(土)23:59まで販売。
※前売ペア券は1枚ずつ切り離し可能、前売親子ペア券は一般と小中学生各1枚で切り離しは無効。
※未就学児は入場無料(要保護者同伴)
※障がい者手帳等を提示の方は本人及び介助者1名まで無料
※学生証、障がい者手帳等確認できるものをご提示ください。

★主なチケット販売所★
公式オンラインチケット、イープラス、ローソンチケット(Lコード:50600)、チケットぴあ(Pコード:686-368)、セブンチケット(セブンコード:099-099)、CNプレイガイド、京都市京セラ美術館オンラインチケットほか
お問い合わせ075-771-4334
主催/後援など主  催:関西テレビ放送、産経新聞社、京都新聞、京都市
協  力:ヤマト運輸
後  援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
企画協力:美術デザイン研究所
監  修:【絵画】深谷克典(名古屋市美術館)、【ファッション】成実弘至(京都女子大学)/カトリーヌ・オルメン(フランス文化財専門官、服飾史家)
備考※新型コロナウィルス感染症の状況により、予定を変更する場合がございます。最新の情報は展覧会HP等をご確認ください。