開催期間:2019年3月9日(土)~2019年4月7日(日)
久保修(くぼ・しゅう)の切り絵は、様々な素材を使い表現する、ミクストメディアと呼ばれる独自の技法で、質感や立体感、遠近感を感じさせます。美術館「えき」KYOTOで2回目となる本展では、旅で訪れた日本各地や海外の風景、二十四節気に沿った季節の食材、そして京都を描いた作品など約130点の切り絵をご紹介します。
■作家プロフィール
久保 修(くぼ しゅう)
1951年、山口県美祢(みね)市生まれ。大学建築科在学中に切り絵に出合い、独学で切り絵の制作を始める。
活躍の場は国内にとどまらず、2010年には文化庁文化交流使としてニューヨークを拠点に活動。
国際交流基金主催事業などで世界各国を訪れ、切り絵を通じ継続的に日本文化を紹介。
2012年には日米桜寄贈100周年記念事業として、エンパイア・ステート・ビル、2014年にはロシア・モスクワ国立東洋美術館において展覧会を開催、また作品集も多数出版。
新聞連載:「日本を感じる旅」(2008年)、「切り絵彩時記」(2011年)いずれも京都新聞ほか
「アスパラガス」
「春爛漫」(左)、「甘鯛」(右)
久保修(撮影:タカオカ邦彦)
■久保修氏ギャラリートーク
3月9日(土)、10日(日)、24日(日)、25日(月)の午前11時、午後1時30分、午後3時
3月23日(土)の午後1時30分、午後3時
※約30分 事前申し込み不要、入館券が必要
※館内を移動しながらマイクで解説します
混雑時には入館制限を行う場合があります
★開幕当日の3月9日、久保修さんご本人によるギャラリートークが行われました!
画面いっぱいに葉を広げるキャベツや、展覧会のポスターにも登場した筍が、近づく春を感じさせます。
約130点の作品の先頭を飾るのは、二十四節気に沿って描かれた季節の食材たち。
とはいえ少し寒かったこの日は、久保さんも大好きというカニや、透ける和紙などを貼って湯気を巧みに表した鍋の作品にも注目が集まりました。
「最近は食卓や店頭で“旬”を感じにくくなっています。それは決して悪いことじゃないけれど、旬を待ちわびる心を伝えたい」と久保さんはいいます。
食材は基本的に自らで取り寄せ、それらを手に取り、時には包丁を入れ、よく観察して描かれています。
久保さんは大学在学中に切り絵の制作を始め、今年で48年。
自身の作品が徐々に知られるようになったころ、個展を訪れたとある絵画の巨匠から厳しい言葉を受けたといいます。
「これは絵画といえるのか」「画家がつくる切り絵をやれ」。
悩んだ末、海外での生活を経て、様々な素材を使い表現する「ミクストメディア」(混合技法)の作品づくりを始めます。
色は、白い紙にパステルやアクリル絵の具で自作。独自の技法を築きました。
近年になっても「尾長鶏」(2017年)では体の部分ごとに異なるスケッチを描き、切り上がってから和紙を染めて色彩を変えるなど、新しい方法に取り組んでいます。
京都を描いた作品も多い久保さん。
中でもおなじみの生八つ橋「おたべ」のパッケージは、今回の展示で初めて原画が出品されています。
パッケージのデザインは制約が大きく難しいそうですが、「簡単に捨てられず、とっておこうと思われるように」手がけているのだとか。
技巧を凝らし、鋭い観察眼で描かれた迫力ある切り絵の数々を、ぜひ会場でお楽しみください!
★久保さんの切り絵画家としての半生を振り返る初めての本が出版されました!
「久保修 切り絵画家の半生」(淡交社)は当館内でも販売中です。
3月9日のギャラリートーク後には、サイン会も開かれました。
開催期間 | 2019年3月9日(土)~2019年4月7日(日) |
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時間 | 午前10時から午後8時 入館は閉館30分前まで |
休館日 | 会期中無休 |
会場 | 美術館「えき」KYOTO(JR京都駅すぐ・ジェイアール京都伊勢丹7階隣接) |
ホームページ | http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1904.html |
料金 | 一般800(600)円、高・大学生600(400)円、小・中学生400(200)円 ()内は前売および「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまの料金。前売り券は3月8日(金)まで美術館「えき」KYOTOチケット窓口(休館日を除く)、チケットぴあ(Pコード769-415)、ローソンチケット(Lコード52404)などで発売。 |
お問い合わせ | ジェイアール京都伊勢丹 075-352-1111(大代表) |
主催/後援など | 主催:美術館「えき」KYOTO、京都新聞 |