開催期間:2019年10月5日(土)~2020年3月29日(日)
日本文化を代表する、茶の湯。その歴史は禅とともにありました。禅の精神性は茶の湯には欠かせないもので、多くの禅宗美術のなかにその痕跡がうかがえます。高僧の墨蹟も、その多くが茶の湯で賞翫されることにより今に伝わりました。茶の湯の文化は現代に連綿と受け継がれてきましたが、時代と共に変化し続けてきました。権力者の茶、千利休の侘び茶、江戸時代の金森宗和らの「きれいさび」、そして近代数寄者の茶など、その享受のありかたは多様性をもって広がってきたのです。
相国寺の茶の湯も、時代と共に変化してきました。中世には室町将軍家の唐物賞翫の茶の湯がくりひろげられました。戦国の世に移ると織田信長が相国寺で茶会を催し、その場に千利休も参加するなど、現在の茶の湯が形成される黎明期に相国寺は大きな役割を果たしました。そして江戸時代には後水尾院の文化圏で育まれた新たな茶の湯が相国寺やその山外塔頭である鹿苑寺で盛んになりました。
名物とされた茶道具も様々な人物の手を経て、ここ相国寺に伝えられました。名品を一堂に取り揃えたこの展覧会で、ぜひご賞翫ください。
【Ⅰ期】2019年10月5日(土)~12月22日(日)
【Ⅱ期】2020年1月11日(土)~3月29日(日)
展示構成
第一章 禅と茶
大陸から本朝へもたらされた喫茶文化は、仏教とともにありました。禅寺においても茶は修行生活の中に組み込まれており、やがて広まる茶の湯の世界に禅の精神は豊かに息づいたのです。
羅漢図(重要文化財 大光明寺蔵)
第二章 権力者と茶
室町将軍の茶の湯は、大陸からもたらされた唐物を中心としたものでした。足利将軍の塔所であった相国寺もまた、五山文化の中心地として栄えました。やがて室町時代が終わり、千利休らの侘び茶の時代が訪れます。
緑釉四足壺 自 織田有楽 贈 昕叔顕晫(重要文化財 慈照院蔵)
第三章 隔蓂記の茶
江戸時代に入ると、相国寺は将軍家ではなく天皇家との結びつきを強めます。特に後水尾院を中心とした寛永文化の中核に、相国寺・鹿苑寺住持の鳳林承章がおりました。鳳林の日記から当時の茶の湯文化が浮かび上がります。
砧青磁茶碗 銘雨龍(鹿苑寺蔵)
第四章 茶道具の名品と数寄者
近代になり寺院や旧家から流出した宝物は、実業家や文化人などの茶人たちに蒐集されます。そういった数寄者の眼によって、多くの美術品が茶の湯の道具として茶席に登場しました。日本の美術は茶の湯の精神によって時代を経て守り継がれてきたのです。
玳玻散花文天目茶碗(国宝 相国寺蔵)
関連イベント ※各イベントの参加には当日の拝観券が必要です。
記念講演
・11月23日(土) 「釜の鑑賞と楽しみ方」 講師:大西清右衛門(釜師 十六代)
・2020年1月25日(土) 「長次郎と光悦とわたし」 講師:樂直入(陶芸家 十五代樂吉左衞門)
※時間はそれぞれ午後2時~午後3時半、定員は当日先着80名
講座
2020年2月22日(土)午後2時~ 「禅寺に息づく茶」 講師:本多潤子(同館学芸員)
ギャラリートーク
12月7日(土)午後2時~、2020年2月1日(土)午後2時~ 担当:本多潤子(同館学芸員)
体感イベント 「和菓子教室」
日時:11月9日(土)午後1時半~
定員:50名(要事前予約)
参加費:高校生以上・大人2,000円、小中学生1,000円
内容:①菓子職人による実演
②菓子体験教室 お一人3種類の生菓子を計3個制作(お持ち帰り)
③呈茶(お抹茶と季節の上生菓子)
講師: 京菓子司 俵屋吉富
持参物:エプロン、三角巾、マスク
申し込み方法:同館HPもしくは電話 ※詳しくは同館HPをご覧ください。
開催期間 | 2019年10月5日(土)~2020年3月29日(日) |
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時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで) |
休館日 | Ⅰ期、Ⅱ期それぞれの会期中無休 |
会場 | 相国寺承天閣美術館 京都市上京区今出川通烏丸東入 |
ホームページ | http://www.shokoku-ji.jp/ |
料金 | 一般:800円 65歳以上・大学生:600円 中・高生:300円 小学生:200円 (一般の方に限り、20名様以上は団体割引で各700円) |
お問い合わせ | 相国寺承天閣美術館 電話:075-241-0423 |
主催/後援など | 主催:相国寺承天閣美術館、日本経済新聞社、京都新聞 協賛:一般財団法人 萬年会 協力:MBS |