開催期間:2024年9月14日(土)~2024年11月10日(日)
―若冲を超えろ!絢爛の花鳥画―
2024年9月14日(土)から11月10日(日)までの期間、京都文化博物館にて特別展「生誕140年記念 石崎光瑤(いしざきこうよう)」を開催します。
石崎光瑤(1884~1947)は、明治後期から昭和前期にかけて京都を中心に活躍し、鮮やかな色彩で独自性に富んだ華麗な花鳥画を数多く残した日本画家です。
富山県に生まれた光瑤は、石川県金沢に滞在した江戸琳派の絵師・山本光一(やまもと こういつ)に師事、その後19歳で京都に出て、日本画の大家である竹内栖鳳に入門しました。1916年から翌年にかけてインドを旅し、帰国後、その成果として熱帯風景の花鳥を主題とした《熱国妍春 (ねっこくけんしゅん)》、《燦雨 (さんう)》を描いて文展・帝展で二年連続の特選を受賞、注目を集めました。
光瑤は、早くから伊藤若沖に関心を持ち、1925年には若沖の代表作を発見、雑誌に紹介しました。また、京狩野をはじめ広く古画を学習し、制作にも活かしました。
本展は、生誕140年の節目に、光瑤の故郷・南砺市立福光美術館(富山県)のコレクションを中心に、初期から晩年までの代表作を一挙公開し、光瑤の画業の全貌を紹介します。
■全国初!!石崎光瑤の大規模回顧展 |
第1章 画学修業と登山
富山に生まれた光瑤は、12歳の時、金沢に滞在していた江戸琳派の絵師・山本光一に師事しました。19歳で京都に出て、竹内栖鳳に入門。栖鳳塾で画技を磨いた光瑤は、1912年の第6回文展に初入選を果たし、第8回文展に出品した《筧(かけい)》で褒状を受賞します。この間、若き光瑤は近代日本登山史にも大きな足跡を残しました。父を亡くした1906年夏に霊峰立山へ赴いて以来、光瑤は登山に没頭していきます。1909年には民間パーティーとしては初めての剱岳登頂にも成功しました。
《 筧 (かけい) 》1914年 南砺市立福光美術館蔵
《 白孔雀 》 1922年 大阪中之島美術館蔵【展示期間:10/1〜11/10】
第2章 インドへの旅、新しい日本画へ
1916年から翌年にかけて、光瑤はインドを訪れました。ヒマラヤの一峰マハデュム峰にも登頂、古代建築や美術に触れるとともに、熱帯の動植物を精力的に写生します。折しも、友人の土田麦僊らが国画創作協会を創立した1918年、光瑤は国展には参加せす、インド旅行の成果として《熱国妍春(ねっこくけんしゅん)》を第12回文展に発表、特選を受けます。さらに翌年の第1回帝展には《燦雨(さんう)》を発表し、連続して特選を受賞、近代京都画壇にその地位を確立します。それらの濃密で豊潤な新しい花鳥画は、若き上村松篁にも大きな影響を与えたことでも知られます。
《 熱国妍春 (ねっこくけんしゅん) 》 1918年 京都国立近代美術館蔵【展示期間:9/14〜10/14】
《 燦雨 (さんう) 》1919年 南砺市立福光美術館蔵
第三章 深まる絵画表現
1922年から翌年にかけて、光瑤はヨーロッパを巡遊します。西洋絵画を研究し、特にフレスコ画に関心を寄せました。また光瑤は日本・東洋の古画も熱心に研究しましたが、特に伊藤若沖に関心を持ち、1925年には若冲の代表作《仙人掌群鶏図襖 (さぼてんぐんけいずふすま)》(西福寺蔵、重要文化財)を発見、世に紹介しています。こうした絵画研究を通じて、やがて光瑤の作風は絢爛華麗な色彩美の世界から趣を変え、深みのある洗練された画風へと変化します。それは時に、モダンで幾何学的な作風をも示しました。
寺外初公開!! / 金剛峯寺奥殿<雪嶺の間>※襖絵は石崎光瑤《雪嶺 (せつれい) 》1935年
《 鶏之図(若冲の模写)》 1926年 富山市郷土博物館蔵 【展示期間:左幅9/14〜10/14、右幅10/16〜11/10】
第4章 静謐(せいひつ)なる境地へ
1930年代後半になると、大画面にたっぷりとした余白をとり、その中に繊細な線描を駆使した花などを描いた作品が多くなります。晩年の大作《聚芳》に代表されるような、静謐な雰囲気を醸し出す独特な世界観が誕生します。これは、光瑤の微底した写実、そして早くから追求してきた装飾性との調和によって確立された独自の境地といえるでしょう。師・竹内栖鳳が没して5年後、戦後まもない時期に光瑤も62歳で他界しました。
◆ナイトミュージアム実施決定!! |
毎週水、金曜日は20:30 まで夜間延長開館★(最終入場20:00)!さらに、スペシャルプログラム(下記★ナイトイベント)も開催い たします。
※夜間延長開館は、『 令和6年度文化庁Innovate Museum 事業 』 の補助を受けて、ナイトミュージアムKANSAI の取組の一環として実施します。
【ナイトタイム限定! 解説パンフレット配布】
もっと展示が楽しくなる解説パンフレットを水・金曜日の17:00以降に無料配布!
※配布予定数量に達し次第終了となります。
*要事前申込
[1]講演会 「石崎光瑤 魅力、再発見」*参加費無料(但し、本展入場券〈半券可〉の提示が必要)
◆日時:9月21日(土) 10:30〜12:00 / 会場:3階フィルムシアター / 定員:150名
講師:植田彩芳子(京都文化博物館主任学芸員)
[2]座談会「深掘り!石崎光瑤を語り尽くす」*参加費無料(但し、本展入場券〈半券可〉の提示が必要)
◆日時:9月29日(日) 10:30〜12:00 / 会場:3階フィルムシアター / 定員:150名
登壇者:渡邊一美 氏(南砺市立福光美術館元副館長)、川邉紫音 氏(南砺市立福光美術館学芸員) 松井菜摘 氏(京都市立芸術大学芸術資料館学芸員)、植田彩芳子
[3]特別対談「光瑤×若冲 その魅力を語る」*参加費無料(但し、本展入場券〈半券可〉の提示が必要)
『若冲』の著者である小説家・澤田瞳子氏からみた光瑤の魅力とは。極彩色の花鳥画家・伊藤若冲に憧れた光瑤。 二人の物語(ストーリー)に迫ります。
◆日時:10月6日(日) 14:00〜15:30 / 会場:別館ホール / 定員:200名
出演:澤田瞳子 氏(小説家)、植田彩芳子
*保育ルーム設置予定。詳細は博物館HPにてご案内します。
[4]ワークショップ 「深掘り!鑑賞ワークショップ」 ★ナイトイベント *参加費無料(但し、本展入場券〈半券可〉の提示が必要)
美術に興味はあるけれど、どう鑑賞したらいいかわからない…そんな皆さんにぴったりのワークショップ!
担当学芸員の説明のもとワークシートに沿って、作品を鑑賞します。秋の夜長、じっくり作品に向き合ってみませんか。
◆日時:10月9日(水) 18:30〜19:30 / 会場:4・3階展示室 / 定員:15名
◆申込方法については、京都文化博物館ホームページ をご確認ください。 |
【 ギャラリートーク】*事前申込不要 *参加費無料(ただし当日の入場者に限る) *会場:4・3階展示室
■コラボギャラリートーク「京都府立植物園×石崎光瑤」
植物園職員が光瑤作品の中に描かれた植物についてお話します。
◆10月4日(金)、10月18日(金) 各日14:00~(30分程度)
■学芸員によるギャラリートーク
10月10日(木)、10月24日(木) 各日14:00~(30分程度)
10月4日(金)、10月11日(金) 、10月18日(金) 各日18:30~(30分程度)★ナイトイベント
■同時通訳付!!Englishナイトギャラリートーク ★ナイトイベント
◆10月16日(水)、10月30日(水) 各日18:00~(50分程度)
京都文化博物館 HPは こちら
☆★☆★☆2024年9月12日付京都新聞朝刊に掲載された特集紙面はコチラでもご覧いただけます!!
開催期間 | 2024年9月14日(土)~2024年11月10日(日) |
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時間 | 10:00~18:00(水・金曜は20:30まで★)入場は閉室の各30分前まで ★ナイトミュージアム実施決定に伴い、夜間延長開館します。 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館) |
会場 | 京都文化博物館 4・3階展示室 京都市中京区三条高倉 |
ホームページ | https://www.bunpaku.or.jp/ |
料金 | ・一般 /1,800円(1,600円) ・大高生/1,200円(1,000円) ・中小生/600円 (400円) ※()内は前売、20名以上の団体料金 ※未就学児は無料(ただし、要保護者同伴)。 ※学生料金で入場の際には学生証をご提示ください。 ※障がい者手帳などをご提示の方と付き添い1名までは無料。 *上記料金で2階総合展示と3階フィルムシアターもご覧いただけます。(ただし入場は19:00(閉場19:30)まで。また催事により別途料金が必要な場合があります。) ※前売券は 2024年7月13日(土)〜9月13日(金)までの期間限定販売(会期中は当日券のみ)。 ◆お得な先行ペア割チケット 3,000円(税込/一般のみ) ※1名で2回利用も可 販売期間:2024年7月13日(土)〜9月13日(金) [主なチケット販売所] 京都文化博物館、公式オンラインチケット(博物館HP)、ローソンチケット(Lコード:51927) 、チケットぴあ (Pコード:687-005) 、セブンチケット(セブンコード:106-646 )、イープラス、 CN プレイガイド、アソビュー!、楽天チケットほか |
お問い合わせ | 京都文化博物館 075-222-0888 https://www.bunpaku.or.jp/ |
主催/後援など | 主催:京都府、京都文化博物館、毎日新聞社、京都新聞 後援:公益社団法人京都府観光連盟、公益社団法人京都市観光協会、KBS京都、エフエム京都 |