開催期間:2016年7月9日(土)~2016年9月25日(日)
幼少期を日本で過ごし、西洋と東洋の文化の融合を理想とした陶芸家バーナード・リーチ。柳宗悦らとの交流は深く、生涯続くものでした。本展では、リーチの生誕130年を記念して、日本人に愛された英国人陶芸家の芸術活動を、日本最大のリーチ作品コレクションを誇る日本民藝館所蔵の作品を中心に紹介します。
バーナード・リーチ(1887-1979年)は、陶磁器をはじめエッチング・素描・木工作品などを創作した、20世紀英国を代表する工芸家です。
香港で生まれ、3歳までの期間を日本で過ごしたリーチは、10歳で母国の英国に戻ると美術学校で絵画を学びながら、小泉八雲やホイッスラーなどの影響を受けて日本への関心を抱き、多感な成長期を過ごしました。
念願の再来日は22歳(1909年)の時。幸運にも、雑誌『白樺』の同人を始めとする、当時の芸術家や文化人の知遇を得ます。なかでも白樺派の中心メンバーであった柳宗悦(やなぎむねよし)(1889-1961/日本民藝館創設者)との出会いは、その後のリーチの創作活動や思索に大きな影響をもたらしました。柳も、リーチが唱える美の問題、実制作の課題から大きな示唆を得ます。
その後、リーチは柳たちが提唱する民藝運動にも深く関わることとなり、2人は生涯の友として互いを尊敬し合い、友情を育んでいきました。やがて陶芸の路を志したリーチは1911年、六代尾形乾山から作陶を学び、1920年には濱田庄司(1894-1978)を伴って帰英。セント・アイヴスに自身の窯を築き、創作を開始します。
リーチは英国人である自分と東アジア、とりわけ日本とのつながりのなかで、自作の理念を「東と西との結婚」と定めます。その理念を実践するかのように、リーチは幼少期を合わせると15回にも及ぶ日英の往来のなかで、英国内はもちろん、日本各地の窯場でも盛んに創作を行い、その土地の材料や手法を活かした作品の制作に取り組みました。「美の求道者」とも言えるリーチの姿は、現場の制作者たち、民藝運動の担い手たちに大きな影響を与えました。
2017年はバーナード・リーチ生誕130年の記念すべき年に当たります。本展では、日本民藝館が所蔵する、リーチの最初期から晩年までの陶磁器を中心に、エッチング・素描・木工の優品約200点を展示します。また、展覧会では国内初公開となるリーチと柳の往復書簡も併せ、リーチの芸術活動を広くご紹介します。
開催期間 | 2016年7月9日(土)~2016年9月25日(日) |
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時間 | 午前9時30分~午後5時 |
休館日 | 月曜日(ただし7月18日、9月19日は開館、7月19日、9月20日は休館) |
会場 | 滋賀県立近代美術館 大津市瀬田南大萱町1740-1 |
ホームページ | http://www.shiga-kinbi.jp/ |
料金 | 一般1000円(800円)、高大生650円(500円)、小中生450円(350円) ※かっこ内は前売りおよび20名以上の団体料金 |
お問い合わせ | 滋賀県立近代美術館 電話:077-543-2111 |
主催/後援など | 主催:滋賀県立近代美術館、NHK大津放送局、NHKプラネット近畿、日本民藝館、 京都新聞 後援:滋賀県教育委員会 制作協力:NHKプロモーション |