玉水焼は樂家四代一入の庶子・一元(1662?~1722)が山城国玉水村(現在の京都府綴喜郡井手町玉水)において開いた楽焼窯です。各地で開窯した楽焼窯の中で唯一、樂家の血筋を受けた窯ですが、一入から繋がる樂家の血筋は三代で絶えてしまいます。その後は八代まで数えましたが明治に入って廃窯となりました。
玉水焼の歴史は不明な部分が多く、特に四代・楽翁以後の「後・玉水焼」では作者の確定も難しい状況です。従って本展では、一元から三代任土斎までを「玉水焼 三代」として、特色の明らかな作品を展示、検証します。初めて玉水焼を取り上げた、画期的な意味を持つ展覧会です。
銅の花器は、中国において宋時代以降、いけばなを生けるための道具として発達し、日本でもこれらを模倣した花器が数多く制作されました。
本展覧会では、銅花器の源流を紹介しつつ、富山大学芸術文化学部所蔵の大郷コレクションを中心とする、日本近代銅花器の数々をご覧いただき、近代青銅器の精緻な美しさをお伝えします。
自然美豊かな作風で知られる日本画家・田中一村(1908-1977)
幼少期よりその画才を発揮するも、既成の画壇に認められず、無名のままこの世を去ります。
本展では栃木~東京での南画家としての初期から、新しい画風を求め模索を続けた千葉時代、そして南海の自然や動植物を大胆に構成した作風が花開く奄美時代と、3つの時代に分けて、稀代の画家が歩んだ道を辿ります。
18世紀の京都では、多くの絵師たちがその腕を振るいました。今回は、相国寺とかかわりの深い京の絵師たちの絵画を中心に展示を行います。
第1章では伊藤若冲の「釈迦三尊像」などの作品を通じ、相国寺の僧侶と絵師たちの交流を紹介します。第2章では、京都に大きな爪痕を残した天明の大火(1788年)の関連資料と、その後に再建された相国寺方丈を彩った、原在中による杉戸絵も展示。相国寺僧と京絵師たちの災害からの復興に向けた軌跡をご覧ください。
さらに第3章では、相国寺派寺院を彩ってきた個性あふれる名品のうち、鹿苑寺からは伊藤若冲の重要文化財、鹿苑寺大書院障壁画五十面を、そして慈照寺からは与謝蕪村の描いた方丈上官之間の障壁画「山水人物図」を展示。池大雅や円山応挙など、18世紀の京都画壇を彩る絵師たちの画技もあわせてお楽しみください。
京都国立博物館にて、凝然国師没後七百年 特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」を開催します。
戒律とは仏教徒が守るべき倫理規範です。5度に及ぶ失敗にもひるむことなく日本への渡航を果たした鑑真(688~763)は、中国の道宣(596~667)が集大成した律学を伝え、日本仏教の質を飛躍的に高めました。
そして、戒律を学ぶこと自体が「僧侶とは、仏教とはどうあるべきか」という問いに光を与える存在として扱われ、日本では仏教革新運動をリードする重要な意義を持ちました。
とくに、戒律運動の最盛期であった鎌倉時代には、唐招提寺の覚盛(1194~1249)、西大寺の叡尊(1201~90)、泉涌寺の俊芿(1166~1227)、東大寺の凝然(1240~1321)ら高僧が登場し、その薫陶を受けた律僧は民衆 のために数多くの社会福祉事業や造像活動を行い、文化史上に燦然たる光を放っています。
本展は、凝然国師没後700年を迎える2021年に、日本仏教の発展に大きな役割を果たした鑑真の遺徳を唐招提寺の寺宝によって偲ぶとともに、明治時代に至るまでの戒律のおしえが日本でたどった歩みを、宗派を超えた名宝によってご紹介します。
前期展示:3月27日(土)~4月18日(日)
後期展示:4月20日(火)~5月16日(日)
※一部の作品は上記以外にも展示替えを実施
日本を代表する美しい花木で、吉祥の花として古くから愛され多くの絵画や工芸品のモチーフとして取り上げられてきた「椿」。
本展では、椿をテーマにした美術品の収集で知られるあいおいニッセイ同和損保コレクションから、尾形光琳・乾山の工芸品をはじめ、横山大観・村上華岳・徳岡神泉・奥村土牛・堀文子などの日本画、岸田劉生・熊谷守一などの洋画もあわせた57点の作品を展示します。
橋本花・牧進・鳥海青児など、京都で紹介される機会の少ない作家の作品にも注目です。
豪華メンバーによる、椿をモチーフにした作品の数々をお楽しみください。
また、堂本印象美術館コレクションのなかから、
椿のほか桜、ぼたんなどの花木を描いた堂本印象作品21点もあわせて紹介します。
※本展は、2020年春に新型コロナウィルス感染拡大防止のため中止となった展覧会を改めて開催するものです。
日本初の"仏教総合博物館"として、2011年4月に開館した龍谷大学 龍谷ミュージアム。開館10周年を記念し、本展ではこれまでのミュージアムのあゆみを振り返るとともに、数々の展覧会を彩った館蔵品を一堂に公開!仏教の魅力を存分に伝えます。
セレマカップ第54回京都少年サッカー選手権大会を開催します。
京都府内の119チームが参加し、府の上位リーグと地域リーグに分かれ、1年を通して戦います。
熱戦を繰り広げる京都のサッカー少年たちにぜひご声援を!
季節を彩る花の美しさを留めようと、古来多くの画家が筆をとり、その姿を残しました。本展では近代日本画の巨匠たちが花や果実を描いた作品や現代の日本画家による大作を展示します。春薫る初夏の嵐山で麗しい花々の絵をご堪能ください。
2020年に開催した「美人のすべて」は新型コロナウイルスの感染拡大のため、やむなく会期途中で閉幕となりました。本展は「美人のすべて」に新たな作品を加え、再構成。福田美術館の美人画のすべてをご覧いただける展覧会となります。
近代日本を代表する洋画家・須田国太郎(1891-1961)は今年、生誕130年・没後60年の節目を迎えます。明暗の効いた重厚な油彩画で知られる一方、能や狂言に造詣の深かった須田は、数多くのデッサンを残しました。須田が生まれ育った京都の地で、油彩作品とともに展示します。
1859年、横浜港の開港以降、横浜や東京には、日本中から500を超える陶磁関係の業者が集まり活動を成し、陶磁器産業の中心地となりました。全国の陶産地から素地を取り寄せて輸出向けの絵付けや装飾を施した「横浜焼・東京焼」が誕生。優美で精緻を極めた品々は万国博覧会などへの出品を機に、外国人に人気を博すと、その優美かつ類稀なるデザインでジャポニスムブームを巻き起こし、横浜港から大量に輸出されました。世界に羽ばたいていた横浜焼・東京焼は、輸出品のため、国内には残されておらず、「幻の陶磁器」といわれています。本展では、国内随一のコレクター・田邊哲人氏によって収集された里帰り作品を中心に、日本に現存する優品約140件を一堂に紹介し、超絶技巧と呼ばれる「職人技」の魅力にせまります。
京都芸術大学では、2021年度春期「京都学」講座を京都市および京都新聞との共催により開講します。これに合わせて市民受講生の募集を行います。
1200年の悠久の歴史の中で育まれてきた京都の伝統・文化をより深く学び、継承していくために、「京都で育まれてきた日本の伝統と文化」をテーマに、京都の各界でご活躍の皆様を講師にお招きし、各々の視点から「京都」の魅力を語っていただきます。