2019年4~6月にかけて、フランス・パリ日本文化会館において、ヨーロッパ初となる大規模な大津絵展「OTSU-E:Peintures populaires du Japon(大津絵―日本の庶民絵画―)」が開催され、注目を集めました。
それを記念して、本展ではパリ大津絵展の出品作品から約70点を出陳し、紹介します。
大津市の瀬田川周辺の地域には田上山や金勝山など著名な霊峰があり、古代から仏教・神道の信仰が厚く、今なお多くの文化財が現存しています。
本展では、この仏教・神道文化に注目し、大津市南部周辺に伝わる貴重な仏像や神像、仏画、経典などを紹介します。
三十六人の優れた和歌の詠み人「歌仙」を描く、鎌倉時代の名品《佐竹本三十六歌仙絵》。かつて二巻の絵巻物だったこの作品は、大正8年(1919)に一歌仙ずつに分割され、別々の所有者のもとに秘蔵されました。2019年は《佐竹本三十六歌仙絵》が分割されてからちょうど100年を迎える年です。これを機に、展覧会としては過去最大の規模で、離れ離れとなった断簡37件(※)のうち31件が一堂に会します。
※三十六歌仙に住吉大明神図を加え三十七図
東京で活躍した日本画家・川端龍子(1885-1966)。
龍子は、戦前より「健剛なる芸術」の創造を唱え、従来の日本画の伝統にとらわれない斬新で豪快な作風を創出したことで知られています。
龍子自らが主宰した美術団体「青龍社」は帝展・院展と肩を並べる日本画壇の一大勢力となりました。
この度、京都府立堂本印象美術館にて、龍子の初期から晩年にかけての代表作を取り揃え、その画業を振り返る展示を開催します。
龍子が1966年に没して以来、京都の美術館施設では初の回顧展です!
本展では龍子が主張した会場芸術の作品、京都を題材にした作品などを展示すると共に、京都にゆかりのある青龍社の画家たちの作品も一部紹介します。
龍子と同時期に活躍した日本画家である堂本印象(1891-1975)が立ててた美術館で、龍子芸術をお楽しみください。
日本文化を代表する、茶の湯。その歴史は禅とともにありました。禅の精神性は茶の湯には欠かせないもので、多くの禅宗美術のなかにその痕跡がうかがえます。高僧の墨蹟も、その多くが茶の湯で賞翫されることにより今に伝わりました。茶の湯の文化は現代に連綿と受け継がれてきましたが、時代と共に変化し続けてきました。権力者の茶、千利休の侘び茶、江戸時代の金森宗和らの「きれいさび」、そして近代数寄者の茶など、その享受のありかたは多様性をもって広がってきたのです。
「茶道資料館」開館40周年、ならびに「今日庵文庫」開館50周年を記念して、今日庵文庫が所蔵する貴重な文献資料の中から『三冊名物記』に焦点をあてた展覧会を開催します。
江戸時代中期に成立した茶道具の名物記『三冊名物記』は、茶入をはじめ、香炉、花入、茶碗、掛物など、当時名物として知られていた三百数十点の茶道具が掲載され、器形を描いた彩色図や詳しい作品情報、道具によっては伝来までもが記載されている画期的な資料です。懇願して名物茶道具を実見した人々の熱い思いや視点に注目しながら、『三冊名物記』の世界をご覧いただきます。
「茶の湯は常の事なり」といわれます。千利休居士が大成し、歴代家元によって受け継がれてきた茶の湯は、日常生活のさまざまな要素をとり入れ、わびのこころを大切に守りながら、洗練されてきた日本の伝統文化です。
今回の特別展では、利休居士によって新たなわび茶の道具が見出された背景と歴史を訪ねます。そして茶の湯の正式なもてなしである茶事のなかで、実際にそれらの道具がどのように用いられ、そこにどのようなこころが込められているのかを初心の方にも分かりやすく紹介します。
春は桜花舞い、秋は紅葉に彩られる嵯峨嵐山。
古来多くの貴族や文化人に愛され、芸術家たちがすぐれた作品を生み出す源泉となったこの地に、2019年10月、福田美術館が開館しました。
開館を記念した本展では、俵屋宗達や尾形光琳の琳派、円山応挙、長沢芦雪、呉春などの円山四条派など江戸時代の絵画から、竹内栖鳳、上村松園など明治以降に活躍した京都画壇たちの名品などを一挙公開します。
オーストラリアの作家、ショーン・タン(1974~)はその独自の世界観と表現方法で日本でも人気を集めています。彼の全面的な協力のもとに開催される大規模な個展となる本展では、最初の絵本「ロスト・シング」や代表作であるグラフィック・ノベル「アライバル」の原画、タンが創造した架空の生き物の立体作品、油彩画などの資料約130点を展示。
初期の絵本から最新作まで、奇妙なのになぜか懐かしさの漂う「どこでもないどこか」へご案内します。
日本では昔から、様々な形式の作品が緩やかなタッチでおおらかに描かれ、大切にされてきました。
それらは「うまい・へた」の物差しでははかることのできない、なんとも不思議な味わいを持っており、見る人を虜にします。
本展では、ゆるく、とぼけた、あじわいのある表現で描かれたこのような絵画を「素朴絵」と表現し、これまで本格的に取りあげられることがなかった様々な時代・形式の絵巻、刷り物、掛け軸、屏風、仏画などに表された素朴絵を紹介することで、新しい美術の楽しみ方をご提供します。
京都に生まれた北大路魯山人(1883-1959)は、はじめ書や篆刻(てんこく)の分野で活動し、30歳代終わりの1922(大正11)年に、生来の食に対する関心から「料理の着物」としての作陶に向かいます。
それは単なる食器づくりではありませんでした。彼は中世以来日本文化の核となっていた茶道を基軸とするわが国の伝統に触れ、一挙に陶芸の古典復興を代表する存在となりました。その活動はまさに<『美』を食す人>と形容できるものです。
かつて中国大陸や朝鮮半島からもたらされ、日本人によって守り伝えられたやきもの、そして日本で生み出された素朴な焼締めのやきものから鮮やかな色絵まで、長い年月をかけて積み重ねられてきたやきものの様々な美をすくい上げた魯山人の制作は、絶えず同時代の陶芸家たちを触発しました。
本展では、魯山人を中心に同時代の陶芸家たちの作品と、中国、朝鮮、日本陶磁など古典の名品も併せて展示し、現代陶芸の礎となった昭和時代を展望します。
備前焼は、釉薬を一切使わない”焼き締め”のやきものです。窯の中で生じた様々な景色は、古くから人々を魅了してきました。
本展では、桃山時代から茶陶として茶人に愛された古備前の名品に始まり、その継承と復興を果たし、新たな作風に挑む近代、現代の備前作家の作品までを一堂に展覧し、時代を超えた備前焼の魅力を紹介します。
いにしえの文化や思想を伝える美術工芸品や歴史資料、その多くは、材質上、朽ち果てる宿命といっても過言ではありません。今日そういった文化財に出会えるのは、人から人へ大切に手入れし受け継がれてきたからにほかなりません。その背後にあるのは、守り伝えようとする篤い意志、そして古来培われた修復技術でした。住友財団では、そのバトンを次代につなぐべく、文化財維持・修復事業への助成につとめ、近く30年を迎えます。累計千件におよぶ助成対象のうち、集中するのが京都やその周辺。千年を超え日本の政治文化の中心だったこの地には、戦乱や天災を越え積層した記憶の数々、美意識の結晶があります。本展では、湖大から近世にいたる彫刻、絵画、文書など、住友財団助成の修復でよみがえった古都ゆかりの名品をあつめ、修復の物語とともにそのかけがえのない価値を再考します。本展が未来へと紡ぐ糸となれば幸いです。※会期中展示替えあり
パリ在住のポーランド人コレクター、ジョルジュ・レスコヴィッチ氏の浮世絵コレクションを紹介する展覧会を開催します。
氏のコレクションは、歌川広重や葛飾北斎、東洲斎写楽、鈴木春信など日本でも人気の高い絵師の作品が多くあります。
その中でも最も注目すべきは溪斎英泉と広重による「木曾街道六拾九次」。江戸と京をむすぶ中山道を主題とした本作はシリーズ全図が揃い、さらにそのすべてが初摺という貴重な作品群です。
その他日本各地の名所絵や春信や喜多川歌麿の美人画、写楽の役者大首絵なども展示。
海を渡った名品を通じて、粋な江戸の雰囲気を味わいながら、美術館での名所めぐりをお楽しみください。
展示替えあり
前期:8月27日(火)~9月23日(月・祝)
後期:9月25日(水)~10月20日(日)
歴史の中で人から人へと受け継がれている、形を超えた何か「The Soul(魂)」。それは約450年にわたる樂茶碗の歴史の中でも大切に受け継がれ、また新たな創造性も導いてきました。日本文化の底流にある「The Soul」に焦点を当てた展覧会です。
大堰川沿いを歩いていると、川には鴨が泳ぎ、あちこちから色んな鳥の鳴き声が聞こえてきます。
すぐそばにいるようですが、警戒心が強くてなかなか近くで姿を見せてくれない鳥。
日本の風土に根ざした鳥たちは、自然の一部として、また興味深いモチーフとして、多くの画家によって描かれてきました。
本展覧会では、江戸時代から近現代までの多種多彩な鳥にまつわる絵画を展示し、実際の鳥と描かれた鳥との比較を通して、鳥の魅力に迫ります。
身近な活字・新聞に親しみ子どもたちの情操・学習能力を育む趣旨のもと、第15回「京都新聞スクラップコンクール」を開催します。新聞を使って、スクラップ作品をつくってみましょう。みなさまの力作をお待ちしています!
読み書きや自分の考えを整理して表現する力を養うことを目的に2007年から開催している「京都新聞小・中学生新聞コンクール」を今年も開催します。テーマを決めて、自分だけの新聞を作ってみましょう。みなさまの力作をお待ちしています!!
天皇家ゆかりの古都京都――。
その京都の地において創刊140年を迎えた京都新聞。
令和元年について発行された号外を、記念に[令和元年]号外セットとして販売します。祝意をあらわしみやびな装いのオリジナルカバーを仕立て、号外4部と朝刊1部を納めました。