京都・岡崎の地に建つ細見美術館は、平成30年(2018)に開館20周年を迎えます。細見美術館は平成10年(1998)の開館以来、日本美術の魅力を多角的に発信してきました。このたび、開館20周年記念展として、二つの展覧会が企画されました。記念すべき第一弾は「はじまりは、伊藤若冲」と題し、細見コレクションを代表する若冲に焦点を当てた展覧会です。
京都市美術館は1933(昭和8)年に設立された公立美術館です。開館以来、近現代美術作品の鑑賞と発表のための、西日本最大の舞台のひとつとして、戦後日本文化のなかで大きな役割を果たしてきました。同館所蔵のコレクションは多岐にわたり、近現代の日本画・洋画・彫刻・工芸・書・版画など約3,400点を所蔵しています。なかでも京都画壇で活躍した美術家たちの作品群は、他に類を見ない豊かさを誇っています。
本展覧会では、2019年度内のリニューアルオープンに向け、現在本館が閉館中である京都市美術館所蔵の数ある珠玉の作品の中から日本画を中心に、34名の作家による美しく艶やかに描かれた“きもの美人”約40点を紹介します。近代の画家たちが描いたさまざまな女性像をお楽しみください。
作品画像=上村松園《春光》(部分)昭和初期 京都市美術館蔵
明治40年に第1回文部省美術展覧会(略して文展)を礎とし、「帝展」「新文展」「日展」と名称を変えつつ、常に日本の美術界をリードし続けてきた日展は今年110年を迎えます。日本画と西洋画、彫刻の3部制で始まりましたが、昭和2年に工芸美術を加え、昭和23年は書が参加しました。現在では、各部門において日本の美術界を代表する巨匠から、第一線で意欲的に活躍している中堅、新人を多数擁して世界にも類のない一大総合美術展として、全国の多くの美術ファンを集めています。
相国寺の開山国師・夢窓疎石(1275~1351)は、「夢窓疎石墨蹟 蕩子生涯偈」(今回出陳作品)に「父にはぐれた流浪の子には財産などなく、ただ渓に山、雲に月だけがわが家宝」と中世の山水観を記しています。
人の動きに合わせて光や音、映像がさまざまに変化する体感型の展示イベントです。魔法にかけられたような、不思議な世界をお楽しみください。美術館の新たな魅力を発信していく企画です。