ICOM大会の京都開催決定には、京都市内博物館施設連絡協議会(略称:京博連)の存在がとりわけ大きな力となりました。今年度は、その京博連が創立されて25周年です。記念イベントとして、京都のミュージアムの楽しみ方や展示品を鑑賞する時のポイントなどを、ミュージアムのスペシャリストたちから語っていただく「京博連創立25周年記念シンポジウム」を開催します。ICOM大会の開催や、文化庁移転も控える今だからこそ、世界中の人々を魅了し続ける「まち全体がミュージアム」である京都の文化力・ミュージアムの魅力をお伝えします。
続「京都 日本画新展」は、京都画壇の将来を担う人材の育成をめざし、2008年度に創設された「京都 日本画新展」を継承・発展する形で新たにスタートいたしました。京都を中心に活躍する創造性あふれた若い人材の活動を奨励し、京都の文化の発展に寄与することを目指しています。本展では、大賞・優秀賞受賞作をはじめ、推薦委員から推薦を受けた20~40歳代までの39作家の作品を一堂に展覧。あわせて推薦委員の新作等も発表します。第5回の節目を迎える本展にご期待ください。
1853年にオランダに生まれたフィンセント・ファン・ゴッホは、1886年にパリに移り、この地でさまざまな刺激を受けながら、自らの絵画表現を模索していきます。そこで大きな役割を果たしたものが、日本の浮世絵でした。ファン・ゴッホは、浮世絵をはじめとする美術作品や日本を紹介した文章を租借しながら、独自の日本のイメージを醸成し、1888年には、芸術家たちの共同体を作ろうと南仏のアルルへ赴きました。大いなる期待を胸に訪れたこの地を、彼はしばしば日本と重ね合わせています。
ファン・ゴッホにとって日本は、創意の源であり、夢にまで見た理想郷だったのです。
1890年、ファン・ゴッホはパリ近郊のオーヴェール=シュル=オワーズで亡くなります。その後、今度は日本人がこの画家を賞賛し、理想化するようになりました。
ファン・ゴッホが最晩年に交友を持ったオーヴェールの医師ガシェの一族のもとには、3冊の芳名録が残されていました。そこには、1920年代に憧れの画家の終焉の地を訪れ、その足跡をたどった日本の画家や文学者たち240名あまりの署名が記されています。
この展覧会では、ファン・ゴッホと日本との相互の関係に2部構成でスポットをあてます。
京都・岡崎の地に建つ細見美術館は、平成30年(2018)に開館20周年を迎えます。細見美術館は平成10年(1998)の開館以来、日本美術の魅力を多角的に発信してきました。このたび、開館20周年記念展として、二つの展覧会が企画されました。記念すべき第一弾は「はじまりは、伊藤若冲」と題し、細見コレクションを代表する若冲に焦点を当てた展覧会です。
相国寺の開山国師・夢窓疎石(1275~1351)は、「夢窓疎石墨蹟 蕩子生涯偈」(今回出陳作品)に「父にはぐれた流浪の子には財産などなく、ただ渓に山、雲に月だけがわが家宝」と中世の山水観を記しています。
人の動きに合わせて光や音、映像がさまざまに変化する体感型の展示イベントです。魔法にかけられたような、不思議な世界をお楽しみください。美術館の新たな魅力を発信していく企画です。