
“ポップ・アートの旗手”アンディ・ウォーホル(1928~87年)
。1958年、彼にとって初めての海外への旅であった世界一周旅行は人生の中で重要な転換期となりました。
旅のハイライトとして訪れた2週間の日本滞在、中でも「京都」での滞在は、見るもの全てがそれ以降の作品に影響を与えたことは言うまでもないでしょう。
後の1974年、彼の2度目の日本滞在の際、原榮三郎(1935~2004年)は同行撮影を行いました。ウォーホルが桂離宮や三十三間堂、祇園など、京都の名所を訪問する様子を写真に記録しています。
本展では、その旅の足跡をたどる約100点の写真を展覧します。彼が当時、この街を歩き、感じた気配を感じながらお楽しみください。
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明治維新後、博覧会や博物館は日本の近代化を進める上で重要な役割を担ってきました。中でも、西本願寺を会場として開催された「京都博覧会」は、日本初の博覧会として多くの観覧者を集めました。本展では、「京都博覧会」をはじめ、西本願寺が独自の手法で企画した「本願寺蒐覧会」や、龍谷大図書館に設立された「仏教児童博物館」、私設の自然史系博物館「平瀬貝類博物館」を、古写真や文献資料約200点から、当時の展示の工夫や意義を探ります。

「第40回六轡會篆刻作品展」が開催されています。六轡會からのメッセージを含め展覧会をご紹介します。

昨年11月、99歳で人生の幕を閉じた瀬戸内寂聴師。作家として僧侶として、常に精一杯の行いを自らに課し、最後までペンを握り続けました。本展では、新たに出版された寂聴師の著作、活動の記録、交友録を一堂に展覧するとともに、会場には「心に残る寂聴師のことば」を散りばめ、法話映像、秘蔵の資料とともに、寂聴師を偲びます。
※掲載写真撮影:斉藤ユーリ

陶芸家として初の文化勲章を受章した我が国の至宝・板谷波山(いたや・はざん)の生誕150年を記念し、泉屋博古館所蔵の住友コレクションをはじめ、波山の選りすぐりの名品を一堂に集め展覧します。
波山は理想の作品作りのためには一切の妥協を許さないという強い信念により、端正で格調高い作品を数多く手がけました。その一方で故郷のまちと人々をこよなく愛し、ともに信頼し、共感しあいながら生きていくことを大切にした人物でもありました。
本展では作品とあわせて、波山が生まれ愛した故郷・茨城県下館町(現・筑西市)への思いや人となりを示す貴重な資料、そして試行錯誤の末に破却された陶片の数々を通して、波山の様々な姿を紹介します。
作品に表現された美と祈りの世界に癒され、
波山の優しさとユーモアに溢れた人生に触れるひと時をぜひお楽しみください。

「利形の守破離」―「利形」とは、千利休の美意識を基にした様式美、茶の湯のみならず、工芸一般の美意識の基礎となるものです。茶の湯の世界では、利休の指導した美意識を基本に、それぞれの時代に新たな創造を打ち立ててきました。
本展では、そうした基本視点から、利休の美意識を最も色濃く表す樂茶碗の始祖・長次郎を中心に、樂歴代それぞれの創造的な作陶世界に焦点を当て、茶碗という限られた造形の中での創造精神の原点を問います。

世界の現代音楽・ポップミュージックシーンにおけるレジェンドであり、ヴィジュアル・アートのパイオニアであるブライアン・イーノによる大規模個展が開催されます。彼が提唱したアンビエント・ミュージック(環境音楽)を音と光で体感できる空間芸術です。
芸術家としての活動のみならず、環境問題など社会活動にも取り組んできたイーノが、世界的文化都市である京都でどのようなメッセージを発信するのでしょうか。

帝室技芸員とは、1890(明治23)年に発足した制度で、皇室によって優れた美術工芸家を顕彰、保護するものです。美術界のトップランナーというべき、一握りの美術家が選ばれました。
制度発足の背景には、美術の奨励に加え、明治維新によって幕府や諸藩の庇護を失い、窮地に立たされた画家や工芸家を救い、優れた技術を保存する目的がありました。帝室技芸員は当代における美術の、最高の栄誉と権威を示す制度となり、1944(昭和19)年まで続くなかで、京都にゆかりのある美術家も多く選出されています。
本展では、制度が発足した明治期を中心に、京都にゆかりのある19人の帝室技芸員を紹介します。最高峰とたたえられた名作を通して、明治期京都の技と美をご覧ください。
![◆終了◆ 第40回 京都新聞チャリティー美術作品展~[特別展示]福祉のページ「わたしの作品」原画展](/zf/file/event/key/15507/w/200/チャリティー.jpg)
『第40回京都新聞チャリティー美術作品展』を、京都髙島屋7階グランドホールで開催します。
陶芸、工芸、彫刻、洋画、版画、日本画、書、イラスト、漫画、写真など、全国の著名な美術家・宗教家・文化人ら約900人からご寄贈いただいた約1,000点の心のこもった作品を一堂に展示いたします。
ぜひともご鑑賞いただき、作品を寄贈してくださった作家の皆さまのまごころのこもった作品をお楽しみください。

京から高野山へ至る街道の合流地点として栄えた歴史をもつ大阪府南部の河内長野市。当地には観心寺と金剛寺という真言密教の古寺があり、この地域における信仰の中心を担ってきました。南北朝時代には後村上天皇の行宮(あんぐう)として、楠木正成など南朝勢力の拠点となったことでも知られます。
本展は、京都国立博物館が実施した両寺の文化財調査の成果を公開する機会として、従来知られた名品に加え、新たに発見された寺宝の数々をご紹介します。歴史の息づく町、河内長野が伝える濃密な文化をお楽しみください。
会期中展示替え有
《前期》2022年7月30日(土)~8月21日(日)
《後期》2022年8月23日(火)~9月11日(日)

清水九兵衞/六兵衞は、塚本竹十郎の三男として1922年に名古屋に生まれました。沖縄戦からの復員後、東京藝術大学工芸科鋳金部等で学び、1951年に六代清水六兵衞の養嗣子となり陶芸の道に進みました。陶芸家としての評価が高まる一方で「もの」と周囲の空間に対する関心が深まり、1966年に初めて彫刻作品を発表。1968年に「九兵衞」を名乗り、陶芸制作から離れ、アルミニウムを主な素材とする彫刻家として活動していきます。その作品は、構造と素材、空間などとの親和性(アフィニティ)を追求したもので、日本各地に設置された彫刻からもその創作意識をうかがうことができます。
清水は1980年の六代六兵衞の急逝を受けて七代六兵衞を襲名しました。その作品は、土の性質や焼成によるゆがみを意図的に用いたものであり、そこで得られた経験を、陶とアルミを組み合わせた作品、和紙やクリスタルガラスによる作品などに生かし、九兵衞/六兵衞としての新たな造形を示しました。
本展では、陶芸および彫刻作品のほか、清水自身が撮影した写真作品、彫刻制作のための図面やマケットなど、約170件の作品および関連資料を通じて、その生涯を回顧します。

現代日本を代表する陶芸家、辻村史朗(1947~) は、奈良の山中、水間の地に自らの手で、住まいと窯を備えたアトリエを造り、以来50 年、大自然に寄り添いながら、己の心に従いひたすらに土と炎に向き合っています。なかでも作陶を開始した20代半ばより一貫して制作しているのが茶盌です。若き日に心魅かれた大井戸茶碗を端として、自分にしか生み出せない茶盌を追い求め、70代半ばを迎えた現在でも早朝から土をひねり、窯に向かう姿は、50年前から変わらない辻村の日常であり「良いものを造りたい」という真っすぐな哲学を表しています。本展は、辻村がライフワークと位置づける茶盌100盌を、前期後期にそれぞれ50盌ずつご紹介いたします。前期では、今最も力を注ぐ志野ばかりを、そして後期には、志野をはじめ、長年心血を注いで取り組んだ、井戸、伊賀、粉引、赤、黒など辻村の茶盌の全貌を展覧いたします。

京都の呉服専門店「ぎをん齋藤」七代目当主 齋藤貞一郎氏と、植物染の「染司よしおか」五代目当主 吉岡幸雄氏。
江戸時代より代々続く染織の家に生まれた二人は、家業を継ぎながらも伝統の枠にとらわれることなく、それぞれのスタイルで美を追求してきました。
本展では、熟練の職人と共に試行錯誤を繰り返して創りあげた、いにしえの色の再現や憧れの技を昇華させた新たな表現と、その過程に焦点を当てていきます。
美しい色彩や素材へのこだわり、技の継承や職人の育成―さまざまな想いをたどりながら、染織に挑み、染織に魅せられた二人の姿を紹介します。

大正から昭和時代にかけて活躍した堂本印象。
印象の表現は、日本や東洋の古典に西洋画を取り入れた具象絵画から、戦後には抽象絵画へと幅広い展開を遂げました。
こうした様式の変化の裏には、1952年に経験した渡欧が大きな契機であったといえるでしょう。
本展では、印象の経験したヨーロッパ旅行の足跡を中心に、大正時代に旅した中国を描いた作品とあわせて紹介し、渡欧前後の風景表現の広がりを紹介します。

日本画にしばしば登場する動物。鹿や狸など身近に生息する野生動物や、牛や馬など家畜として人の生活を支えてきた動物など、様々な生き物が動く姿をいかに表現するかということは、古来多くの画家が取り組んできたテーマでした。本展では、日本人にとって動物がどのような存在であったかなど、動物が描かれるようになった背景や、画家を魅了した様々な動物画をご紹介します。

福田美術館は2022年10月1日に開館3周年を迎えます。
これを記念し、館を代表する名品とともに、これまで公開したことがない近代絵画を中心にした秘蔵のコレクションを多数ご紹介します。前後期合わせた作品総数97点のうち、59点が初公開です。
約1800点のコレクションの中から厳選した名品を通して、福田美術館の新たな一面をお楽しみください。

写真家・鋤田正義と世界的ミュージシャンであるデヴィッド・ボウイは、1972年ロンドンで出会ってから、ボウイがこの世を去った2016年まで40年以上にわたり親交を深めました。
中でも、1980年3月に、二人で過ごした京都での時間は今も鋤田さんの心に残っています。その時撮影されたプライベートショットと、鋤田さんがボウイとの思い出とともに足跡をたどりながら改めて撮影をした作品、時空を超えたコラボレーションで構成されています。
本展は、2021年4月3日に開幕しましたが、新型コロナウイルス感染拡大により、中断を余儀なくされました。その後寄せられたアンコールの声により再開催が決定しました。
2022年はデヴィッド・ボウイ生誕75年、そして名盤「ジギー・スターダスト」発売から50年目の記念すべき年に京都で再開されます。

2020、21年に開催した「岡山・宗教美術の名宝」シリーズの第3弾。美作国久米(現在の岡山県久米郡)出身である浄土宗の開祖・「法然上人」と、旧邑久郡の下笠加(現在の瀬戸内市)を拠点の一つとして諸国を旅し仏教の教えを伝えた「熊野比丘尼」、岡山県に伝わる「地獄・極楽」の三つのキーワードを軸に、岡山県下の貴重な資料群や絵画の優品などを展観します。浄土教にまつわるさまざまな美術品から、法然上人の生涯や、熊野比丘尼たちの活動の足跡などに迫ります。

昭和16年(1941)に竹内栖鳳、菊池契月、西山翠嶂、川村曼舟、橋本関雪らにより発足した「京都日本画家協会」。会派を超えた会員相互の交流と、京都画壇としての後進育成を目的とした団体で、現在、京都を中心に活躍する約560名の作家で構成されています。
本展はすべての所属作家の作品を3年かけて一巡する展示の三巡目として、2019年・2021年・2022年の3年間で全会員の作品世界を紹介します。
(※2020年は新型コロナウイルス感染症のため延期)
今回は154名の会員作家による新作を紹介。
様々な画風が一堂に並ぶ国内随一の規模を誇る本展で、現代京都の日本画の諸相をご堪能ください。

貴族文化が花開いた平安時代。
江戸時代の人びとは、平安時代の王朝のみやびに憧れを抱き、その世界を和歌や絵画に描きました。
在原業平の恋物語を描いた『伊勢物語』と光源氏の人生絵巻ともいえる『源氏物語』はその憧れの世界が描かれた代表的な王朝文学として、多くの和歌が詠まれ、後世の歌詠みの規範ともなっています。また相国寺は、和歌史に名を残す藤原定家の墓所としてゆかりの寺宝を有するほか、桂離宮や古今伝授で知られる有名な八条宮智仁親王の菩提寺として宮家ゆかりの寺宝が多く伝来しています。
本展観では、相国寺に伝わる寺宝を中心に、江戸時代に描かれた伊勢・源氏の屏風絵や、江戸時代の公家の和歌、絵画の数々を紹介します。
江戸時代、京で復興した王朝文化の世界をご堪能ください。
※本展は展示替えがあります。
Ⅰ期 2022年3月20日(日)~5月15日(日)
Ⅱ期 2022年5月22日(日)~7月18日(月・祝)