19世紀末から20世紀前半にかけてフランスで活躍したアンリ・ル・シダネル(1862-1939)とアンリ・マルタン(1860-1943)。共に印象派、新印象派の流れを汲みつつ、象徴主義など同時代の表現技法を吸収しながら幻想的な主題を扱ったほか、生活の情景や身近な人々を親密な情感を込めて描くアンティミスト(親密派)としても知られています。2人は1891年の最初の出会い以降、生涯にわたり親交を深めましたが、シダネルは北フランスで薄明かりに包まれた穏やかな光を、マルタンは南フランスで陽に照らされた明るい光を描き出し、それぞれ独自の画風を築きました。本展では、これまで日本で紹介される機会の少なかった2人の画家の画業を9つの章に分けてご紹介します。光と色彩に彩られた作品をぜひお楽しみください。
山口華楊(1899~1984)は京都市中京区出身で、大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家です。
本展では、動物画で独自の画境を確立した華楊の代表作を通して全貌を紹介します。
京都画壇の写生の伝統を受け継ぎ、動物画の名手であった師の西村五雲から学んだ瀟洒な感覚と鋭敏な写実性を新たな表現へと発展させました。
生きものを慈しむまなざしと高い品格、加えて知的な構成力と静かな空気感は、華楊ならではの魅力と言えるでしょう。
堂本印象(1891~1975)と華楊は、同じ京都衣笠の地を活動の拠点とし、印象は画塾東丘社を主宰、華楊は五雲亡き後の晨鳥社を研究団体として再興し、戦中・戦後の京都画壇を牽引してきました。
ぬくもり溢れる華楊芸術の世界を、印象自らデザインした堂本印象美術館で展観するというこの機会を是非お楽しみください。
千利休の曾孫にあたる表千家四代家元・江岑宗左(こうしんそうさ)の350回忌を記念する特別展です。
江岑は、千利休の孫、元伯宗旦(げんぱくそうたん)の三男に生まれ、江戸時代の前期、千家の家督を相続して、利休の茶の湯を継承する表千家不審菴(ふしんあん)の基盤を築き、千家茶道を確立しました。そして弟の仙叟宗室(せんそうそうしつ)は裏千家今日庵(こんにちあん)、兄の一翁宗守(いちおうそうしゅ)は武者小路千家(むしゃこうじせんけ)官休庵(かんきゅうあん)の基礎を築き、利休の道統をこんにちに伝える三千家が成立しました。
また江岑は紀州徳川家に茶堂(さどう)として出仕し、以後、幕末に至るまでおよそ200年にわたって表千家の歴代家元は同家に出仕し、茶の湯を通じた深い結びつきを持つことになります。
さらに、江岑は、千家に伝わる茶の湯や利休の伝承を綴った聞書覚書(ききがきおぼえがき)をはじめ、江岑が招かれた700会をこえる茶会の記録、道具の箱書(はこがき)や極(きわめ)などの書付(かきつけ)をした記録である道具帳など、実に多くの茶書を残しました。
この特別展では、家元より特別出品される江岑ゆかりの道具と史料およそ70点から江岑の生涯と茶の湯を訪ねます。
障害のあるアーティストらによる細部にまでこだわりをもって作られた作品を紹介する展覧会を開催します。タイトルの「細部に宿る」とは、ドイツの建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残した「神は細部に宿る」という言葉を由来としています。細かい部分までこだわり抜くことで、全体としての完成度が高まることを意味する言葉です。人が何かを作りあげる時、細部にまでこだわり、作り込んで初めて全体が動きだすのです。
本展では、障害のあるアーティスト18名による見えないところまで作り込まれた作品や、植物や微生物などを緻密に写実的に描き込まれた作品など、各々が細部にまでこだわりをもって作られた作品を絵画から立体造形まで幅広く紹介します。
江州音頭を踊って琵琶湖の水資源に感謝するお祭り「江州音頭フェスティバル京都大会」を3年ぶりに開催します。
京滋地区を中心に伝承されている民謡に合わせ、皆さん一緒に踊りましょう!(参加無料)
絵画や彫刻、そして書、工芸、建築などを中心に展開してきた視覚文化についての理解を深めるための連続講座の第3シリーズを開講します。
「視覚の文化地図」、「視覚文化を横断する」というテーマ に続き、本年度は「視覚文化に分け入る」と総称して、時 代を越えた東西の視覚文化を専門家が語ります。
長谷川義史さんの絵本は、ダイナミックなタッチの手描きによる、表情豊かでユニークな登場人物が印象的です。ふるさとの大阪や家族を題材にした物語には、ユーモアとともにほろりとさせられるシーンも。
また、長谷川さん自身が真摯に向き合う戦争や震災を題材にした作品は、身のまわりに当たり前のようにある幸せの大切さを考えさせられます。
本展では、絵本の原画を中心に、イラストレーションやスケッチ、立体作品など約200点を展示。「世界中のみんなが笑っていてほしい、幸せであってほしい」という願いが込められた長谷川さんの絵本の世界をご紹介します。
日本美の象徴と言われる琳派、そして傑出した個性の絵師である伊藤若冲。人気の高いこれら絵画に、鉄腕アトム、初音ミク、リラックマなどのキャラクターが時代を越えて融合します。
“ポップ・アートの旗手”アンディ・ウォーホル(1928~87年)
。1958年、彼にとって初めての海外への旅であった世界一周旅行は人生の中で重要な転換期となりました。
旅のハイライトとして訪れた2週間の日本滞在、中でも「京都」での滞在は、見るもの全てがそれ以降の作品に影響を与えたことは言うまでもないでしょう。
後の1974年、彼の2度目の日本滞在の際、原榮三郎(1935~2004年)は同行撮影を行いました。ウォーホルが桂離宮や三十三間堂、祇園など、京都の名所を訪問する様子を写真に記録しています。
本展では、その旅の足跡をたどる約100点の写真を展覧します。彼が当時、この街を歩き、感じた気配を感じながらお楽しみください。
滋賀県立安土城考古博物館の開館30周年を記念し、東京国立博物館所蔵の日本最大の銅鐸をはじめとする大岩山銅鐸を紹介します。滋賀県を代表する考古遺物をご覧ください。
明治維新後、博覧会や博物館は日本の近代化を進める上で重要な役割を担ってきました。中でも、西本願寺を会場として開催された「京都博覧会」は、日本初の博覧会として多くの観覧者を集めました。本展では、「京都博覧会」をはじめ、西本願寺が独自の手法で企画した「本願寺蒐覧会」や、龍谷大図書館に設立された「仏教児童博物館」、私設の自然史系博物館「平瀬貝類博物館」を、古写真や文献資料約200点から、当時の展示の工夫や意義を探ります。
中央アジアのイラン系ソグド人は、4世紀にシルクロードを通じ中国・洛陽まで進出しました。
彼らの精神世界の源流を中央アジア・東イランの青銅器時代からひもとき、軌跡をたどります。
韓国アート界には、静の中に潜められる動のエネルギーが垣間見えます。
本展では陶を素材にした作品を中心に、日本のやきものとの関わりを通じてその精神性と魅力を浮き彫りにします。
京都新聞社は、「京都サンガF.C.×京都新聞」として、サッカー・J1リーグ京都サンガF.C.のスクールコーチによる親子でふれあえる参加費無料のサッカー教室を開催します。
参加親子には10月8日(土)の2022明治安田生命J1リーグ第32節名古屋グランパス戦ペアチケットをプレゼント!
申し込みはページ下のフォームから。ぜひご応募ください!
※申し込みには、京都新聞デジタルサービスへの登録(無料でできる「ID会員」あり)が必要です
昨年11月、99歳で人生の幕を閉じた瀬戸内寂聴師。作家として僧侶として、常に精一杯の行いを自らに課し、最後までペンを握り続けました。本展では、新たに出版された寂聴師の著作、活動の記録、交友録を一堂に展覧するとともに、会場には「心に残る寂聴師のことば」を散りばめ、法話映像、秘蔵の資料とともに、寂聴師を偲びます。
※掲載写真撮影:斉藤ユーリ
陶芸家として初の文化勲章を受章した我が国の至宝・板谷波山(いたや・はざん)の生誕150年を記念し、泉屋博古館所蔵の住友コレクションをはじめ、波山の選りすぐりの名品を一堂に集め展覧します。
波山は理想の作品作りのためには一切の妥協を許さないという強い信念により、端正で格調高い作品を数多く手がけました。その一方で故郷のまちと人々をこよなく愛し、ともに信頼し、共感しあいながら生きていくことを大切にした人物でもありました。
本展では作品とあわせて、波山が生まれ愛した故郷・茨城県下館町(現・筑西市)への思いや人となりを示す貴重な資料、そして試行錯誤の末に破却された陶片の数々を通して、波山の様々な姿を紹介します。
作品に表現された美と祈りの世界に癒され、
波山の優しさとユーモアに溢れた人生に触れるひと時をぜひお楽しみください。
中・高校生、大学進学希望者とその保護者に向けて、京都をはじめ関西・首都圏など各地の大学を紹介します。各大学の担当者に直接相談できる相談コーナーのほか、これからの大学入試、2023年度入試動向などについて紹介する情報発信コーナーや、現役大学生のアドバイスを受けられる受験相談コーナーもあります。
■日時:9月25日(日)10時~16時
■会場:京都市勧業館 みやこめっせ
(1階・第2展示場)
■入場無料<事前申し込み制>
「利形の守破離」―「利形」とは、千利休の美意識を基にした様式美、茶の湯のみならず、工芸一般の美意識の基礎となるものです。茶の湯の世界では、利休の指導した美意識を基本に、それぞれの時代に新たな創造を打ち立ててきました。
本展では、そうした基本視点から、利休の美意識を最も色濃く表す樂茶碗の始祖・長次郎を中心に、樂歴代それぞれの創造的な作陶世界に焦点を当て、茶碗という限られた造形の中での創造精神の原点を問います。
帝室技芸員とは、1890(明治23)年に発足した制度で、皇室によって優れた美術工芸家を顕彰、保護するものです。美術界のトップランナーというべき、一握りの美術家が選ばれました。
制度発足の背景には、美術の奨励に加え、明治維新によって幕府や諸藩の庇護を失い、窮地に立たされた画家や工芸家を救い、優れた技術を保存する目的がありました。帝室技芸員は当代における美術の、最高の栄誉と権威を示す制度となり、1944(昭和19)年まで続くなかで、京都にゆかりのある美術家も多く選出されています。
本展では、制度が発足した明治期を中心に、京都にゆかりのある19人の帝室技芸員を紹介します。最高峰とたたえられた名作を通して、明治期京都の技と美をご覧ください。
風景を描くということは誰もが一度は経験したことがあり、人間にとって「風景」は大切な画題です。本展ではこれをテーマに作品を展示します。ぜひお越しください。