この秋、紬織の人間国宝である染織家、志村ふくみの生誕100年を記念して、故郷滋賀では約10年ぶりとなる個展を開催します。滋賀県近江八幡市出身のふくみは、30代の頃、実母の影響で染織家を志し、植物染料による彩り豊かな染めと、紬糸(節のある絹糸)を用いた紬織に出会います。特定の師にはつかず、自らの信念を頼りに道を進むうちに、生命力あふれる色の表現、文学や哲学といった多彩な芸術分野への探究心に培われた独自の作風が評価され、1990(平成2)年、紬織の人間国宝に認定されました。
本展では、国内屈指の規模を誇る当館収蔵の志村ふくみ作品と館外からの借用作品、作家ゆかりの資料など合わせて80件以上を展示し、初期から近年までの歩みをたどります。合わせて、ライフワークである「源氏物語シリーズ」や、ふくみの心のルーツであり、制作においても重要な位置を占める滋賀をテーマにした作品を紹介します。またふくみは、染めや織りの仕事と共振させるかのように言葉を紡ぎ、第10回大佛次郎賞を受賞した初の著作『一色一生』(1982(昭和57)年)など、これまで20冊以上の著作を刊行しています。本展では随筆家としての活動にも注目し、染織作品や故郷、仕事への思いを語るさまざまな言葉をご紹介します。経糸と緯糸が交差して織り出される紬織のように、色と言葉の出会いを美術館でお楽しみください。
MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 館⾧:熊倉功夫)2024 年(令和 6 年)9月28日(土)-12月15日(日)までの期間、秋季特別展「うましうるはし日本の食事(たべごと)」を開催いたします。
本展では、日本人が創造してきた、おいしくてうつくしい食事―食べること―の歴史を美術工芸作品とともにたどります。絵画に表された人びとの営み様々な器などをご鑑賞いただき、未来に思いを馳せていただければ幸いです。
3月に信長と安土城に特化した博物館に生まれ変わる安土城考古博物館。
これが常設展としては最後の考古学展示!
この春まで第一展示室に飾られていた考古学展示の資料を、場所を企画展示室に移し、新たな形で展示いたします。
第ニ展示室では、これまで通り安土城と信長に関する資料が展示されます。
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「滋賀県」という視点で「家」を考えてみると、面白いことがいくつもあがってきます。たとえば1961年以降、日本を代表するいくつものハウスメーカーが県内にプレハブ工場を設置しています。また、惜しくも2022 年に解体された、黒川紀章設計の《中銀カプセルタワービル》(1972/現存せず)の「カプセル」は、米原市内の工場で制作されたものでした。その意味では(部分的にであれ)Made in Shigaの建築だったとも言えます。そして、滋賀県は面積の半分を森林が、6分の1を琵琶湖が占めるという特徴的な地形ゆえ、多様な暮らしのかたちを見ることができる場所なのです。 本展は、1960年代の日本の住宅産業と滋賀県の強いつながりを示す事例から、現代建築家による 最近のプロジェクトまでを、幅広く紹介し、パンフレット、模型、図面、写真といった、建築展ならではの資料だけでなく、家具や、建築家や施主のインタビュー映像なども展示します。
また、美術館の前庭やファサード近辺には、実際に入ることのできる小屋やくつろげる縁側も設置します。
滋賀県と日本の住宅建築のつながりを起点に、今まさに滋賀県に生きる人々の暮らしと建築がどのような未来の生活様式や環境を形作るのかを見つめる展覧会です。
穏やかな自然に育まれ、悠久の歴史と物語を秘めた「奈良大和路」。はるか1400年の昔から数多くの寺院が建立されたこの地には、静かな慈愛に満ちた“みほとけ”が伝えられています。
大和の情景は古代から多くの歌人に詠まれ、近代でも憧れをもった文学者たちがこぞって南都の古寺や風土を巡りました。
本展では、法隆寺、東大寺、薬師寺、唐招提寺、大安寺、西大寺をはじめとする古寺の仏像、絵画、工芸品を、奈良を愛した写真家・入江泰吉の作品と、この地を舞台にした文学を交えて紹介します。
日本語では、「生(なま)の芸術」と訳されてきたアール・ブリュット。1940 年代、フランスの画家、ジャン・デュビュッフェが、精神障害者や独学のつくり手などの作品に心を打たれ、提唱した美術の概念です。本展では、2023 年に日本財団より受贈した、45 人の日本のアール・ブリュットのつくり手による作品約 450 点を展示します。
本展では、滋賀県内の遺跡から出土した考古資料のなかから、常設展などでは複製品が展示され原品の展示機会が少ない、重要文化財の大岩山銅鐸、雪野山古墳出土品、新開古墳出土品、滋賀県指定文化財の相谷熊原遺跡出土土偶のほか、滋賀県指定文化財の鴨田遺跡出土巡礼札、彦根市指定文化財の福満遺跡出土子持勾玉、未指定ではあっても重要な真野遺跡出土の旧石器など、滋賀県のみならず日本の歴史を考えるうえでも欠くことができない旧石器時代から江戸時代初期までの考古資料の稀品・逸品を展示します。
★トマト俱楽部会員は会員証提示で無料観覧いただけます
MIHO MUSEUMでは、2024年3月3日(日)~ 6月9日(日)までの期間、春季特別展「古代ガラス―輝く意匠と技法」を開催いたします。
古代、ガラスは宝石のように尊ばれていました。MIHO MUSEUMが数多く所蔵する古代ガラス作品を各文明ごとに展示します。ビーズやコアガラス、モザイクガラス、カットガラスなど色も輝きも様々な古代ガラスをお楽しみください。
馬は古くから私たちの暮らしや社会に大きな影響を与えた動物です。
本展では馬が近江の地域社会や文化の形成に果たした役割について考古資料を中心に紹介します。
MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 館長:熊倉功夫)は2023年(令和 5 年)9月16日(土)- 12月10日(日)までの期間、秋季特別展「金峯山の遺宝と神仏」を開催いたします。
日本の伝統工芸である「蒔絵」。17 世紀の後期、それまで一般には名を知られない存在であった蒔絵師たちは、京都の観光案内書『京羽二重』など出版物に住所と共に紹介され、やがて自らの名を作品に記し始めました。それまで、名を残さない工人であった蒔絵師たちが歴史の表舞台に登場したのです。町衆が台頭する 18 世紀以降、蒔絵を受容する層が増し、それに比例して蒔絵師の数も増えてゆきます。そして流行は競争を生み、技術面でも大きく底上げされ、多くの蒔絵師が名を上げる百花繚乱の時代を迎えました。
本展はこうした蒔絵師たちの作品を、のちに各地の伝統へと繋がる彼らの系譜とともに紹介することで、伝統のバックボーンや美しい蒔絵を求めた当時の日本人の心を、展示作品の中に感じていただくことができます。
古代文明の神々をはじめ、大自然への畏敬から生まれた聖獣・聖樹信仰の作品群、日本の神仏や東大寺の修二会に関する作品、暮らしに込められた祈りの対象を描いた絵画を中心に展示します。
「第62回滋賀県書き初め展覧会」の作品を募集します。多数ご応募ください。
滋賀県立安土城考古博物館の開館30周年を記念し、東京国立博物館所蔵の日本最大の銅鐸をはじめとする大岩山銅鐸を紹介します。滋賀県を代表する考古遺物をご覧ください。
中央アジアのイラン系ソグド人は、4世紀にシルクロードを通じ中国・洛陽まで進出しました。
彼らの精神世界の源流を中央アジア・東イランの青銅器時代からひもとき、軌跡をたどります。
韓国アート界には、静の中に潜められる動のエネルギーが垣間見えます。
本展では陶を素材にした作品を中心に、日本のやきものとの関わりを通じてその精神性と魅力を浮き彫りにします。
風景を描くということは誰もが一度は経験したことがあり、人間にとって「風景」は大切な画題です。本展ではこれをテーマに作品を展示します。ぜひお越しください。
熊本県出身の素朴派の画家、塔本シスコを紹介する過去最大の回顧展です。約230点の作品たちが織りなす「シスコ・パラダイス」にぜひお越しください。
今年は土を素材にモノをつくる教育「つちっこプログラム」が展開され20年目に当たります。
これまでを振り返り、子どもたちや作家らの感性あふれる作品から、モノづくりについて考えます。
滋賀県立安土城考古博物館が開館30周年を迎えることを記念し、近江国の守護を約400年に渡ってつとめた、近江源氏佐々木氏の総領家六角氏に迫る特別展を開催します。