アート・展示
入場・参加無料
開催まで7日

開催期間:2024年11月30日(土)~2024年12月29日(日)

世界報道写真展2024京都

世界報道写真展2024京都

 2024年11月30日(土)~12月29日(日)の期間、京都新聞ビル地下1階印刷工場跡を会場に、「世界報道写真展2024京都」を開催します。

 World Press Photo(世界報道写真展)は、オランダ・アムステルダムに本部を置く世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)が開催するWorld Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)の入賞作品を展示するものです。今年は130の国と地域約4,000人から約6万の写真とプロジェクトの応募があり、入賞者約30人の作品を展示します。

(写真)今春から夏までオランダ・アムステルダムで開かれたWorld Press Photoの写真展。荘厳な教会が会場だった。 ©World Press Photo Foundation

 World Press Photoは、日本でも「世界報道写真展」の名称で親しまれ、長年開催されてきましたが、2021年を最後に開かれていません。

 この写真展は、世界各地で起こっていることと、つながる場になります。毎日、国内外のニュースを印刷していた印刷工場跡を会場に、写真の持つ力、報道の役割を考える機会にしていただければ幸いです。

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■今年で67回となる世界報道写真コンテスト

  World Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)は、世界で最も権威のある写真コンテストの一つです。オランダ・アムステルダムに本部を置く世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)が運営し、年に1回、前年に世界各地で撮影、制作された報道写真から受賞作を選びます。コンテストは1955年に始まり、今年で67回目となります。最初の年は11カ国42人からの応募でしたが、今年は130の国と地域、約4,000人から約6万の写真とプロジェクトの応募がありました。

 六つの地域(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北中米、南米、東南アジアとオセアニア)ごとに、シングル、ストーリー、長期プロジェクト、オープンフォーマットの4部門の地域優勝者を決め、その後、4部門のグローバル優勝者を決定します。今年はそれら24作品に加え、佳作と審査員特別賞が数点選ばれました。

オランダ・アムステルダムの教会で開催されたWorld Press Photoのワールドプレミア展。入口にはカナダの森林火災を捉えた写真が展示された。

■今年の入賞者の作品を展示

 世界報道写真コンテストの入賞者約30人の作品を展示します。「今年の写真」(World Press Photo of the Year)に選ばれたのは、ガザのパレスチナ人フォトジャーナリスト、モハメド・サレムさんが撮影した「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」です。昨年10月17日、イスラエル軍のミサイルが自宅を直撃し、死亡しためいのサリーさんをイナス・アブ・マアマルさんが抱いています。サレムさんは、イスラエルの包囲によってオランダでの授賞式に来ることはできず、ビデオメッセージで登場しました。サレムさんは破壊された建物の前で、大勢のジャーナリストが亡くなっていること、食料や水、医薬品を手に入れるのが難しい現状を語り、「あなたが見る写真が、この戦争を止めるための圧力となることを願っています」と訴えました。

 他のグローバル受賞者は、ストーリー・オブ・ザ・イヤー(Story of the Year)がリー・アン・オルウェージさん(南アフリカ)の「ヴァリナ・バベナ」、長期プロジェクト賞(Long-Term Project Award)がアレハンドロ・セガラさん(ベネズエラ)の「2つの壁」、オープンフォーマット賞(Open-Format Award)がジュリア・コチェトバさん(ウクライナ)の「戦争は個人的なもの」です。

 また、京都新聞の松村和彦が連載「700万人時代-認知症とともに生きる」で撮影した30枚の写真を「心の糸」と題して、革新的な表現を求めるオープンフォーマット部門に応募。アジア地域の優勝者となりました。松村は、認知症の本人の心情と症状を写真と文章で表現し、誰もが自分や身近な人が認知症になる時代を迎えた超高齢社会の日本のあるべき社会像を伝えようとしました。

 写真展は、ロシアによるウクライナ侵攻やミャンマーの軍事政権による市民弾圧で、尊い人命が奪われていることも伝えます。アマゾンの干ばつやカナダの森林火災、アメリカやフィジーの海面上昇など同時多発的に気候変動による環境問題が起こっていることも一目瞭然です。

フォト・オブ・ザ・イヤー/「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」/モハメド・サレム(パレスチナ)ロイター

■会場は京都新聞ビル地下1階印刷工場跡

 京都新聞本社ビルにあった印刷工場は、1975年から約40年間ほぼ毎日、新聞を制作、国内外のニュースを発信してきた場所です。印刷拠点が久御山工場(京都府久御山町)に一元化され、本社工場は2015年11月に閉鎖。現在は輪転機が撤去され、ビルの地下1階から2階までに、高さ約10メートル、広さ約1000平方メートルの巨大な吹き抜け空間が広がっています。

 壁に染み付いたインクの跡、かすかに残るインクのにおいなど印刷工場の雰囲気が感じられるこの空間で、アート作品を展示したいと、これまで京都国際写真祭 KYOTOGRAPHIEやARTISTS' FAIR KYOTO などの会場としても利用されてきました。

 今回、世界報道写真展の入賞作品を展示します。新聞を印刷してきた場所で、世界の報道写真を展示する。これほどふさわしい場所は他にないと考えています。

京都新聞ビル地下1階印刷工場跡

■関連イベントを開催

 分断の時代にフォトジャーナリズムが対話を促し、世論を形作る役割をどのように担っていくかを探る、オープニングトーク「分断の世界・フォトジャーナリズムの力」Sponsored by FUJIFILMを開催します(聴講無料)。

▽日時=11月30日(土)午後3時~5時30分
▽会場=京都新聞文化ホール(京都市中京区烏丸通夷川上ル 京都新聞ビル7階)
▽内容=トークとガイドツアー
▽登壇者=ジュマナ・エル・ゼイン・クーリー氏(世界報道写真財団エグゼクティブ・ディレクター)、片岡英子氏(世界報道写真コンテスト審査員)、小原一真氏(同受賞者、写真家)、松村和彦(京都新聞写真記者)
▽定員=先着50人、当日午後1時から整理券配布※トーク終了後、写真展のガイトツアーを行います。

■クラウドファンディングを実施中です 

 開催資金を確保するため、クラウドファンディングを実施しています。印刷工場跡はギャラリーではないため、入場料を設けることができません。このため、ご来場いただいた方々には、無料で写真展をご覧いただけます。公共性の高い情報を多くの方に見てもらう絶好の機会となりますが、世界各地で懸命に取材したフォトジャーナリストたちの努力を形にし、巨大な会場で展示するには、高品質の大きなプリントが求められます。
 今回の展示では、世界報道写真財団の本拠地があるオランダ・アムステルダムで春から夏にかけて開かれたワールドプレミア展のプリントを輸入する許可を財団から特別に得ました。しかし、輸送や会場制作に多額の費用が必要です。皆さまのご支援は、こうした費用に充てさせていただきたいと思います。

◎クラウドファンディングについては こちら のウェブサイトをご確認ください。

クラウドフェンディングの返礼品の一つ、オリジナルトートバッグ

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開催期間2024年11月30日(土)~2024年12月29日(日)
時間午前10時~午後6時
休館日2024年12月15日(日)
会場 京都新聞ビル地下1階
京都市中京区烏丸通夷川上ル
料金入場無料
お問い合わせ事務局(京都新聞COM事業推進局内)
電 話 075-255-9757(平日午前10時~午後5時)
E-mail wpp2024kyoto@mb.kyoto-np.co.jp
主催/後援など主  催 世界報道写真展2024京都実行委員会(京都新聞、世界報道写真財団)
特別協賛 富士フイルム株式会社
特別協力 一般社団法人KYOTOGRAPHIE
助  成 オランダ王国大使館
後  援 京都府、京都市、KBS京都、エフエム京都