開催期間:2024年11月2日(土)~2024年12月21日(土)
2024年11月30日(土)~12月29日(日)の期間、京都新聞ビル地下1階印刷工場跡を会場に、「世界報道写真展2024京都」を開催します。
World Press Photo(世界報道写真展)は、オランダ・アムステルダムに本部を置く世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)が開催するWorld Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)の入賞作品を展示するものです。今年は130の国と地域約4,000人から約6万の写真とプロジェクトの応募があり、入賞者約30人の作品を展示します。
(写真)オランダ・アムステルダムの教会で開催されたWorld Press Photoのワールドプレミア展。入り口にはカナダの森林火災を捉えた写真が展示された。
世界報道写真展2024京都の開催に合わせて、「理想の新聞」を制作するワークショップを開催します。紙面制作を通じて写真と文章の効果的な用い方を学び、視覚的要素と文章表現が共鳴するストーリーテリングを追求します。
講師は、2017年と2019年に世界報道写真コンテストの審査員を務めた後藤由美さんと、24年の同コンテストで入賞した京都新聞記者の松村和彦が務めます。
後藤さんは、2024年には現地のPortfolio Dayに招かれ、世界報道写真コンテスト2024の受賞者らのポートフォリオレビューイベントに参加するなど、自主的かつ独自の視点で世界的な活動を展開している東京と京都のアートギャラリー「REMINDERS PHOTOGRAPHY STRONGHOLD」を運営しています。 松村は、京都新聞で掲載した認知症連載を元に、2023年春に京都国際写真祭 KYOTOGRAPHIEで写真展「心の糸」を開催しました。2024年、同プロジェクトを世界報道写真コンテストで革新的な表現を求めるオープンフォーマット部門に応募し、アジア地域優勝者となりました。
松村と後藤さんが制作した「心の糸」の新聞
参加者は、このワークショップの編集会議で決定する大きなテーマに基づき、過去の取材や現在進行中のプロジェクトを掲載するダミー紙面を制作します。11月から12月まで京都市中京区の京都新聞社で全4回開催され、前半では取材コンセプトの練り方や写真、文章表現の方法についての指導を受け、各回の間に取材を進展させます。後半では、紙面全体のデザインとレイアウトに注力し、視覚的要素と文章が共鳴する形で、Adobe InDesignを使用して紙面を制作します。
このワークショップはマスタークラスとして位置付けられ、長期プロジェクトに取り組む写真家や新聞記者、そして視覚的要素と文章を組み合わせたストーリーテリングに興味のある方々を対象としています。参加者は、写真と文章を効果的に組み合わせ、視覚的に訴求力のある紙面作りを学びます。ワークショップを通じて、インターネット上の長文記事や写真展、写真集制作にも応用できるスキルを磨くことができ、日本の報道・ドキュメンタリーにおけるビジュアル表現の発展に寄与します。 また、世界報道写真コンテスト入賞を目指す人材育成を目的とし、シングル部門にとどまらず、ストーリー、長期プロジェクト、オープン・フォーマットに対応したプログラムを提供します。完成した紙面は、ワークショップ終了後に成果発表するイベントも実施します。最も優秀な紙面を制作した参加者には世界報道写真財団から350ユーロが授与されます。また、参加者には同財団から世界報道写真コンテスト2024の写真集が贈られます。
世界報道写真コンテスト2024の写真集
ニュースプリントの例① 26 PATIENTS,1 EMPLOYEE AND 1 VISITOR AT SANTA LUCIA MENTAL INSTITUTE Dafne Capella
ニュースプリントの例② こんなはずじゃなかった 松村和彦
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【日 程】2024年11月から12月までの全4回開催。
<1日目・11月2日(土) 午前10時~午後6時 ※時間延長の可能性あり>
第1回編集会議。自己紹介、ワークショップ概要説明、紙面制作に関するレクチャー、共通テーマ決定。各自が写真を持ち寄りプレゼンを行い、参加者全員でディスカッションを行います。取材方針と編集方針について講師から助言を受けます。ワイドエディットから写真をセレクトし、次回までに各自が取材や撮影を発展させます。
<2日目・11月16日(土) 午前10時~午後6時 ※時間延長の可能性あり>
第2回編集会議。準備した写真や記事を発表し、編集およびレイアウトに関する助言を受けます。Adobe InDesignを使用して、紙面制作に着手し、各自のプロジェクトが視覚的要素と文章が共鳴する形で表現されるように進めます。
<3日目・11月17日(日) 午前10時~午後6時 ※時間延長の可能性あり>
2日目の作業の継続。第3回編集会議では、進行中の紙面のプレゼンを行い、講師から更なるアドバイスを受け、紙面制作を発展させます。
<4日目・12月20日(金) 午前10時~午後6時 ※時間延長の可能性あり>
最終調整の回。各自が完成させた紙面を講師がフィードバックし、最終調整を行います。
<成果発表イベント・12月21日(土) 午後1時~4時>
ワークショップの参加者が制作したニュースプリントについて話します。
【会 場】京都新聞社(京都市中京区烏丸通夷川上ル)
【定 員】10人(最少実施人数は7人)
【参加費】50,000円(1人)
【講師とプロフィール】
○後藤由美氏
東京と京都を拠点に活動するインディペンデントキュレーター。写真や視覚媒体作品のプロデュース、キュレーション、編集、出版、リサーチ、コンサルティング、教育、人材育成に取り組み、紛争や現代社会問題、人権侵害、女性問題を主なテーマとして活動している。特に、これらのテーマに対する社会的な意識啓発や人道支援を目的としたプロジェクトの推進や企画に力を入れている。さらに、国際的な写真賞やフォトフェスティバルにおいて、審査、ノミネーション、キュレーション、プロデュースを行っている。また、「リマインダーズ・フォトグラフィー・ストロングホールド」(RPS)の共同運営者兼キュレーターとして、アーティスト支援や展示、教育プログラムなどを通して活動を展開。2020年には「RPS京都分室パプロル」を設立し、視覚表現を通じて日本国内外での文化発展に貢献している。
○松村和彦 1980年生まれ。2003年、記者として京都新聞社に入社。05年写真記者となる。「人生」「社会保障」「ケア」をテーマに長期プロジェクトに取り組む。認知症取材では、新聞連載や雑誌で記事を掲載するほか、2023年春に京都国際写真祭 KYOTOGRAPHIEで写真展「心の糸」を開催した。2024年、「World Press Photo(世界報道写真コンテスト)」の革新的な表現を求めるオープンフォーマット部門でアジア地域優勝者となった。医師の早川一光さんが自身の療養生活を通じて在宅ケアのあり方を問うた新聞連載「こんなはずじゃなかった」は、日本医学ジャーナリスト協会賞新聞・雑誌部門大賞を受賞した。写真集に京都の芸舞妓の人生を描いた「花也」(14年、京都新聞出版センター)と、個人的な作品として取り組み、家族の生と死を通じて命のつながりを描いた「ぐるぐる」(16年、自主制作)がある。
【申込方法】下記の専用フォームに、必要事項を入力し応募資料を送付ください。
専用フォーム https://www.kyoto-np.co.jp/list/secure/form?code=WD-2024-0214
【締め切り】10月14日(月)必着。定員を超えた場合は選考の上、参加者を決定します。
【参加申込時にご提出いただく応募資料】
下記の応募資料をご用意ください。書式は自由ですが、文章はword・A4サイズにまとめてください。フォームへの入力ではなく、グーグルドライブなどのファイル共有サービスにアップロードしていただき、上記フォームの該当欄にURLのみを貼り付けてください。URLからダウンロードが可能な設定にしてください。
1. ポートフォリオ
(1)写真作品や記事のサンプル(数点の写真や記事のPDFまたはリンク)
(2)今回取り組むプロジェクトの写真や記事
<以下ワード文書にまとめる>
2. 過去の活動・経歴
3. モチベーション・目的
(1)ワークショップに参加したい理由
(2)ワークショップで習得したいことや期待する成果
(3)今後のプロジェクトへの応用や目標(このワークショップの成果をどのように生かしたいか)
4. プロジェクト提案
(1)ワークショップ中に制作したいダミー紙面の概要(現在進行中のプロジェクトがある場合、テーマや内容、進行状況の簡単な説明)
(2)取材対象やテーマの背景(社会的意義や自身の関心)
5. テーマの候補
(1)ワークショップで設定する「全体テーマの候補」
(2)テーマに対する個人的な関心や理由
6. 技術的スキル
(1)使用可能なソフトウェア(Adobe InDesignのスキルレベル、その他の編集ソフトの使用経験)
(2)写真や文章の編集に関する経験
京都新聞社の編集局フロア
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開催期間 | 2024年11月2日(土)~2024年12月21日(土) |
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会場 | 京都新聞社本社内 京都市中京区烏丸通夷川上ル |
料金 | 1人50,000円 |
お問い合わせ | 「世界報道写真展2024京都」事務局(京都新聞COM内) E-mail wpp2024kyoto@mb.kyoto-np.co.jp |
主催/後援など | 主催:世界報道写真展2024京都実行委員会 |